川北英隆のブログ

ぶったまげた菅官房長官発言

ネットの記事を見ていたら、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2016年10?12月期の運用益が10兆円を超えたので、菅さんが「国民の老後の生活を支える年金の安定に大きく寄与する成果」と言ったとか。「いい加減にしてくれや」だ。
具体的にどのように発言したのかメモしていないが、四半期(0.25年)で数兆円単位の損失を出したときには、「長期的な運用なので、四半期単位での評価は正しくない」というコメントをしていたはずだし、少なくともGPIFやその監督官庁である厚労省は、そのように評価してきた。
つまり、何10年単位での運用である年金にとって、0.25年とは瞬間である。株式や外国為替に投資しているから、どうしても運用収益にプラス、マイナスが生じる。そんな瞬間的な損得に一喜一憂しても仕方ない。
僕自身も、GPIFが実際に大きな損失を出した時、「少なくとも数年単位で評価すべき」だとして、GPIFを擁護してきた。評価に関して、他の評価メンバーがいろいろと言うので、擁護するのもいい加減面倒なのに、である。
それなのに、0.25年で10兆円の運用益が生じたことにより、それが年金の安定に大きく寄与すると言うのなら、次に大損した時に(リーマンショック並みの世界的な証券価格の下落が生じた時に)、「年金制度が大きく揺らいだけど、どうしてくれるんや」と世間から強烈に批判されたとして、何の反論もできない。
要するに、久々の「快挙」に我を忘れたアホな役人が下原稿を書き、菅さんにインプットしたのだろう。僕としても、次回以降の擁護が難しくなった。その前にクビになるかな。とすれば、新しいメンバーに吹聴するしかないかも。
追記:このブログ、3/6に訂正しています。

2017/03/03


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