川北英隆のブログ

エコファンド

エコファンドに関する企業格付け会社として著名なグッドバンカーで議論していたときの、筑紫社長さんのコメントが記憶に残っている。
つまり、サブプライムローンの証券化商品に対して、それが高い投資収益を生み出すことに、日本の年金をはじめとして多くの投資家は何の疑問を抱かずに積極的に投資した。それなのに、エコファンドをはじめとするSRI(社会的責任投資)ファンドへの投資に対しては、それがすぐれた投資収益をもたらす証拠を執拗に求め、たとえ証拠を出しても信用しようとしないと。これは筑紫さんがヨーロッパに出張したときに外人から聞いたコメントだそうである。
要するに、投資家には潜在的な思い込みがあり、その思い込みに即したものにしか投資しないということである。SRIについては、その生い立ちが反体制的なところにあったから、それを推進する機関が胡散臭いということだろう。だから、エコファンドから圧倒的に優れた投資パフォーマンスが得られない限り、無視してOKとなる。
一方で社会はエコブームである。今までエコなんて関係ないような顔をしていた企業でさえ、エコを意識して経営しているような態度を売り込んでいる。多くは俄かエコでしかないのだが、流行りだから仕方ないのかもしれない。政府もまた、クールビズだと称して、しょうもないエコ運動を起こしている。エコで地球にやさしいのなら、クールビズなるものを新たに誂えず、あり合わせの夏服で十分なはずだ。普通の半袖のワイシャツ一枚で記者のインタビューに応じていいのではないか。
究極のエコは、本当のエコを地道に追及している企業を見つけ出し、評価し、さらにその企業を応援するために投資することにある。投資は投票と同じだというのが筑紫さんの信念である。企業や政府が真にエコを追及しているのなら、投資行動でもエコを標榜すべきである。残念ながら現実は、そこまでは「知恵がまわりかね」という大男ばかりということなのか(男が男を誹謗中傷するかぎり、差別表現にはならないでしょう)。

2009/05/22


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