川北英隆のブログ

リンジャニ山・火口壁へ

リンジャニ山は活火山である。浅間山のように火山活動が活発になると登山が禁止になる。リンジャニ山の場合、禁止と解除が頻繁に繰り返されているらしい。今回も9/1に頂上への登山禁止の連絡があり、日本を出る直前に解除された。
「ラッキー」と思いながら、登山口の村、スンバルン・ラワン(標高約1100メートル)に車で着いてガイド、ポーターと合流する。その後、村の上部にあるトレッキング・センターで入山の登録と料金を支払い、村に戻って登山開始である。初日は火口壁の手前のキャンプ場(2700メートル)を目指す。昼食を含め、7時間半かかった。
リンジャニ山は富士山型の山だが、頂上部には南北6キロメートル、東西9キロメートル程度の火口があり、そこには火口湖が広がり火口丘もある。この火口丘が火山活動を続け、溶岩を噴出している。火口壁の大部分はほぼ標高3000メートル弱で続いている。山頂部も火口壁の一部だが、そこだけが一段と高く、3726メートルある。リンジャニ山登山は、まず山頂北側の火口壁の縁にたどり着き、次に700メートル以上を一気に登ることになる。
ロンボク島はジャワやバリと異なり、雨が少ない。このため登山口からは草原と灌木の中のなだらかな登りとなる。山肌には無数の小さな沢が刻まれ、そこだけ広葉樹が生えている。登山するには、その沢を何回か通過することになる。南緯8度、秋分近い日の登山だったから、太陽は頭上より少し北から降り注ぎ、草原の中は「暑い」の一言であった。少し風があったのが救いか。ただ、午後になると雲が上がってきた。毎日、雲が上がるのかどうか、ガイドから明確に答えはなかった。草原が終わり、傾斜が急になってくると松に似た、それよりも長い葉のトキワギョリュウ(広葉樹)の疎林となる。この頃から雨が降り始めた。多くの木の枝にサルオガセが付着していることから判断して、霧や小雨が多いのだろう。「まあ暑いよりはいい」と思いつつ、雨の中をキャンプ場まで登った。
キャンプ場(地元ではプラワンガン2と呼ばれている)の手前から、火口壁に連なる明確な尾根上の平坦な道となる。つまり、標高2700メートル近くの尾根道なわけだ。一方、この尾根近くの火口壁の一部が2000メートル以下に落ち込んでいるため、尾根から火口が見える。キャンプ場に行くときには霧のため見えなかったが、翌日、同じ道を帰った時には火口が見えた。

2009/09/23


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