川北英隆のブログ

道を尋ねるタクシーと経営者

日経で思い出したのが、道を尋ねるタクシーである。最近多いらしい。先日も東京の日本橋から乗って、アークヒルズ(東京人以外の人のために説明しておくと、東京の有名な場所の一つ)へと告げたら、被害にあった。急いでいたからタクシーに乗ったのに。
「どこですか」、「案内してもらえますか」から始まった。女性のドライバーで、「新米なので」と正直だったから、「料金を払わんでええんやったら案内してもええで」とは言わなかったが、気分としてはそうだった。仕方ないので近くの有名な場所も教えたが、おぼろげにしか分からないらしく、「カーナビを入れていいですか」となった。「新米やったら最初からセットしとけや」と言いたいところだが、そんなことを言っても始まらない。
カーナビのスイッチを入れ、セットするまでに半分以上進んだだろうか。その間、セットするためにのろのろ走る。「急いでいるのでタクシーに乗ったのに」、「責任者、出てこい」である。
失業率が高いので、タクシーの運転手にでもということなのか。私自身、同じような経験が近頃何回かあるし、他の人の話でもそうだ。プロであればプロらしく、会社が教育しなければならないし、運転手も勉強しなければならない。
と思っていると、ついこのあいだ、経営者が経営者らしくないという意見を聞いた。「先行きが不透明なので、今後どうなるのかは分かりません」という類の社長発言に対する意見である。「そんな会社の株式を誰も買いたくないよね」というのが結論である。最後に、船長が「霧のため、どこに向かって進んでいるのか分かりません」と発言するような船に、誰が乗りたいと思うのかという喩えが付け加えられた。

2009/11/11


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