川北英隆のブログ

細見卓さん

不覚にも今日初めて知ったのが、細見卓さんが亡くなられていたことだ。9月16日と新聞に(実は昨日の日経の夕刊に)書いてあった。ニッセイ基礎研究所時代にお世話になった。
細見卓さんはニッセイ基礎研究所が設立されると同時に会長に就任された。仕事の上でそんなに多くの接点があったわけではなかったが、時々お話しを聞かせてもらい、また意見をもらった。
一番記憶に鮮明なのは、台風が接近していた夜、細見さんと何人かが集まり、新橋で歓談したときのことである。何故集まったのか、理由は思い出せない。当時の手帳(といってもスケジュールしか書いていない)が研究室にあるので、調べればヒントがあるかもしれないが。
風雨が強まっているのは分かっていたが、まあ大したことないだろうというので話し続けていたと思う。そこでの話題の一つは円のデノミについてである。細見さんはデノミに熱心だった。1ドルが100円近辺の頃だったから、1994年前後のことだったと思う。1ドル1円が夢だったのだろう。私自身はデノミにあまり意味を見出していなかったから、たとえば1ドル=1.01円と書く場合に「.(点)」を書くのが余計で面倒ですねと言ったのを覚えている。細見さんは少し不機嫌になられたようだ。
とはいえ、日本酒を好まれ、その日もまあまあ飲まれていたから、デノミ論議は事なきを得たような。
亡くなられた日は私がリンジャニ山に出かけた日でもある。デンパサールでの夕食時にレストラン一帯が停電になったのは、デノミ論議の夜の嵐の続きだったのかもしれない。1円=100ルピア近辺にあるインドネシアでの出来事だから。
遅ればせながら、感謝を申し述べるとともに、ご冥福をお祈りしたい。

2009/12/12


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