川北英隆のブログ

芳しくなかった日銀短観

今日の午前、日銀短観を分析してみた。予想どおり、企業の業況判断の改善はあったものの、内容的には今一で、サプライズに乏しかった。
簡単に「今一」の内容を指摘しておくと、一つは、下期の業績見通し(売上高、経常利益とも)が下方修正されていることである。現状が芳しくないのか、企業が慎重なのかまではなかなか判断できないが、多分両方が理由で下方修正されたのだろう。
設備投資計画も良くない。大企業は年度計画を減額修正している。中小企業のは方は、徐々に年度の計画を積み上げていくのが例年のパターンであるが、今年度はその積み上げ方がごく少額にとどまっている。
製品需給や販売価格見通しも弱い。とくに国内の需給は海外と比べて明らかに悪い。これを受け、先行きの販売価格が下落すると企業は考えている。それも、仕入れ価格が上昇すると考えているのに、である。デフレの状況にあり、利益圧迫要因となっているわけだ。この販売価格見通しの弱さが企業業績の下方修正に反映している。
ついでに昔話。政府や日銀の主要統計が公表されると、その公表物を入手するには発表元に出向かなければならなかった。発表元は、この公表物を事前にガリ版印刷していた。ガリ版刷りの専門業者もあった。ガリ版刷りの部数に限度があるから、早く行かないとなくなってしまう。1980年前後のことである。それから、何がどう変化したのか、詳しくはない。2000年頃からだろうと思うが、インターネットで即時にダウンロードできるようになった。この現実が良いのか悪いのか、よく分からない。こうして京都に居ながら、即日分析しないといけないわけだし。

2009/12/14


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