川北英隆のブログ

バーベキュー屋のネコ

サファリの帰り、ナイロビ空港から帰国する前、郊外のバーベキュー屋で食事をした。ガイドブックにも掲載されている店だ。そこでの事件である。
バーベキューの肉はウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、七面鳥など。その他にワニがいた。インパラが出て、ネコ科の動物になった気分を味わえるときもあるらしいが、当日はなかった。
で、バーベキューの味はといえば普通である。マトンはケバブの方が格段に旨い(モロッコの山登りのついでに食べた味を思い出してしまった)。ニワトリはタンドリーチキンの方が抜群である。
しかも、当日出てきたワニは黄色い色をしていて臭かった。それも上品な臭さではない。「上品な臭さって何や、変な日本語」ということだろうが、「たとえば鮒ずしのような臭さが上品な臭さや」、なんて説明したところで、ますます混乱してしまうか。とにかく、脂肪臭い感じがした。泥の中で養殖されているのかもしれない。オーストラリアでもワニを食べたが、こちらは鶏肉を固くしたようで、臭みはなかった。ワニにとっては、人間に食われたうえに、臭いとか固いとか言われて、「侮辱だ」というところだろうが。
最後にマトンをもう一切れもらい(ケバブの方が旨かったんではなかったんかいな)、帰り支度のためにトイレに行った。と、上品なネコがいる。声をかけると脚をそろえて座ってくれる。そこで、「写真を撮るから待っててや」と言いきかせ、席に置いてあったカメラを持って戻ると、まだきちんと座っていた。写真がその姿だ。「よしよし」と頭を撫で、次に首の下を撫でてやろうとした瞬間、ポイと手の甲をやられた。血が流れた。
さすが、ケニアのネコ、「そっちには猛獣の血が流れているのか」というところだ。それとも、首筋を捕まえられてバーベキューにされるとでも思ったのか。最後まで面白い動物旅行だった。
ひっかくネコ.JPG

2011/02/12


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