川北英隆のブログ

東京の初春

朝、少し時間があったので東京の下町を散策した。すでに春がそこまで来ているという風情だった。
いつものように、トレーニングを兼ねて隅田川の土手(護岸の内側)を走ったと言いたいが、早足で歩いた。草が青々してきていて、小さな花も咲いている。最近では外来種の花も混じっているので、昔の初春の風情に少し欠けるが。
土手を歩いて、これまで立ち入ったことのなかった佃に入った。佃というと佃煮しか思い出さないが、歩いていると、かつての担当企業だった月島機械の看板が見えた。確かに佃と月島は続いている。その月島機械だが、シルバー精工と違い、今も生き残っている。ネットでちらっと見たかぎりでは業績は相変わらず冴えないようだが、まあまあやっているのだろう。
その佃だが、昔のままの民家を押しのけるようにマンションが入り乱れて建っている。銀座まで歩いてでも行ける距離にあるから、そのうち古い民家は消滅するのかな。
佃からの帰り、再び隅田川に戻り、堤防の上を歩いていると、桜が咲き始めていた。緋寒桜である。京都に移るまで、この季節は花粉症の季節でもあり、楽しさが半減以上していたが、最近では花粉症とほとんど無縁になった。だから、桜の花も素直に喜べる。
そういえば昨日、京橋の二代目の猫を見かけた。骨董店に出勤するところだった。全体を初めて確認できた。わりとくっきりした三毛猫である。段の上に乗り、「ニャーオ」と挨拶したところ、店のおばさんが扉を開けた。猫が扉に頭を擦りつけ、おばさんがその頭を撫でていた。昨日は雪が降ったとはいえ、扉を開けてもあまり寒くない季節に移りつつあるようだった。

2011/03/08


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