川北英隆のブログ

発電設備の天国と地獄

ブログを長期間休んだ。病気をしたわけではなく、日本にいなかったためである。「ではどこに」ということだが、サブプライムローン問題で最初に影響を受けたアイスランドを観察してきた。
アイスランドの人口は30万人強、国土面積は日本の27%である。氷河が国土の10%を占めるが、それでも人口当たりの国土面積は広い。しかも首都のレイキャビィークに12万人が集まっているから、首都を離れると人を見かけることがあまりない。というのは誇張で、牧場が点在していて、そこに人が住んでいるのだが。
夏になれば、メキシコ湾暖流の流れる西海岸はおとぎの国のような美しさと広さだ。夏の別荘を構えてもいいくらいである。西海岸から北海岸は寒流が流れこんでいて、しかも風が強く、厳しいかもしれないが。
そんなレイキャビィークの名物は世界最大の露天風呂、ブルーラグーン(Blue Lagoon)である。海底から熱水を汲み上げ、それを地熱発電に使い、さらに温水を沸かせて家庭に供給し、大分冷えたところを風呂というかプールというか、巨大な施設に供給している。温水は名前のとおり青いが、硫黄泉ではなく、塩水にケイ素が混じったものだという。その泥を化粧品(泥パック用)として売っている。
いつまでも暮れない青空の下、そんな温泉に浸かり、ビールを飲んでいると(売店があるので)、「ここは天国だ」と思う。東電の福島原発の惨状とは月とスッポン、天国と地獄である。
ちなみに、アイスランドの電気の20%は地熱、80%は水力である。そういえば、今回の飛行機はコペンハーゲン経由だったが、そのコペンハーゲン空港の側には風力発電用の風車が列をなしていた。日本もエネルギーにもっと工夫を凝らさないといけない。

2011/05/27


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