川北英隆のブログ

山と海外の食事・上海2

実は上海に凝ったことがある。最初に訪れた1996年から数年間、たて続けに上海中心に中国を訪ねた。そのうちの1回は、上海蟹を食べるためだけだった。
実は上海蟹は高級素材だとばかり思っていたので、スッポンを食べたその年に上海に行き、ついでに有名料理店で上海蟹を食べた。予約をしないといけないし、ちゃんと予約できたのかどうか不安な気持ちで夕方に料理店に行くと、2人だけの旅行だったので廊下の片隅のようなところで食べさせられたし、値段はスッポンに近いし。
しかも、である。上海蟹は要するに川にいるモクズガニの類である。茹でられて出てきた瞬間に、その素性を見抜いてしまった(大袈裟だが)。その蟹の姿は、子供の頃、冬の露店に茹でられ、並んでいたものと同じだ。奈良の「おん祭」(おん祭を知らないのなら日本人としてモグリだと言いたいところだが、6年間、奈良の学校に通って祭りの雰囲気は知っているものの、祭りに何があるのかは知らない)でよく見かけた蟹だ。子供の頃、「ケガニ」と呼んでいた。前脚に毛が生えているから。北海道で初めて本物の毛ガニを見たとき、びっくりしたもんだ。そのケガニ、露店のは古くなっているのか、少し臭いし、親から「虫がいるから食べたらあかん」と言われていたものだ。
そこでリベンジとばかり、2001年の冬、上海蟹のツアーを3人で催した(食べたらあかんのと違うんかいな)。上海市内の中心(といっても繁華街から少し外れた所)に泊まり、着いた当日の夜に蟹を食べに出掛けたところ、1匹数百円の感覚で食べさせてくれる。「ホンマに上海蟹かな」とは思ったが、有名料理店のよりは小さいものの、中身は同じである。1人3匹程度食べたか、飽きてしまった。翌日以降、プラスで食べたかどうかも覚えていない。
ブランド品ではないが、1匹を高い値段で食べてこそ有難味があるのかな。でも、そんなアホみたいなことはしたくないし。

2011/07/14


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