川北英隆のブログ

ネット社会の増幅作用

台風が通過した。沖縄付近から進路を北東に切り替え、猛スピードで東海から東北へと抜けた。雨風は激しかったが、大部分の地域で台風の影響が短時間で終わったのは幸いだろう。
台風自身、勢力もそんなに大きくない。しかしニュースでの取り上げ方は上陸したためか、大々的だった。警戒の仕方も「厳戒」だった。「大したことないで」と言ってしまうと、万が一の場合は訴えられかねないからか。ネットニュースでは、2009/4に発生したイタリアの地震で、「予知できなかった」のは過失致死傷の罪に当たるとして学者が訴えられている。それなら、東電福島原発の関係者はどうなるのか。
それはともあれ、ネットの普及は混乱をもたらす可能性がある。ネットの情報に過剰に反応しかねないからだ。ネットへの反応を予知して、ニュースの提供の仕方も変わってしまうのだろう。
今回の台風で死者も出ているが、客観的に表現すれば台風として普通の状況だ。実は今日、東京に来ているのだが、午後7時頃に街を歩くと、飲み屋が流行っていた。「大したことない」、「会社の仕事で仕方ない」というのが多いのだろう。歩いている人の数も普段より少し少ない程度だった。一方のネットでは、NHKは「最大級の警戒を」と呼びかけていた。やはりギャップが大きすぎる。
それにしても、交差点で若いカップルの女が「こわーい」と言って男にしがみついていたが、そんなのは止めてほしい。それなら外を歩くなと言いたい。どうも反応が、いろんな場面で極端すぎる。というか芝居がかっている。

2011/09/21


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