川北英隆のブログ

中国人研究者の送別会

昨日(9/27)、1年間、京大に来ていた中国人研究者の送別会をした。瀋陽にある遼寧大学の女性(中年)研究者であり、統計分析を専門としている。旦那は政府系銀行員、息子は大学生だそうだ。
海外からの留学生もそうだが、まず住居が問題になる。大学には海外からの研究者や留学生用の住宅はあるのだが、大学に近い所は大人気で、結局、彼女(劉艷春さん)の場合、宇治の宿舎(黄檗寺の近く)が2回目だったかの抽選で当たった。1時間以上かかる。そんなとこに行ったことがないので、世話をしている私自身も状況がよくわからない。そこで、住んだことのあるインドネシアの留学生に付き添ってもらい、案内した。
大震災の時も問題が生じた。彼女の父親が地震の心配をするというので、約1週間後に短期帰国することになった。しかし、日本に戻ってきたのは3ヵ月以上経過した後だった。瀋陽地区の共産党大会の党代表に選出されたから、余計に遅くなったとも言っていた。それだけ長期間、研究派遣先の日本から離れると、彼女に対する研究費の支給が問題となる。中国とやりとりしていたメールを拾い出し、事情書を書いて研究費の支給を受けられるように手配した。
こちらから株価データを提供し、それを分析することで、彼女の研究成果は8月にまとまり、ようやく帰国の運びとなった。明日(9/29)、日本を離れるというので送別会をすることにした。
彼女は、日本語はできるのだが、上手ではない。そこで、瀋陽の北、ハルピンからの留学生で日本語のよくできるのが10月から大学院に入学する祝いを兼ね、必要なら通訳もしてもらうつもりで、3人で焼肉屋に行った。9/14のブログの店だ。京阪三条駅に近いので、地理不案内な中国人でも宇治にすぐに帰れるだろうという設定だった。
中国の東北地方は朝鮮系の人も多いとのこと。焼肉屋も目立つと言っていた。酒は白酒(高粱酒)が一般的で、ロシア人も大好きらしい。北朝鮮から来るのもいて、底なしに白酒を飲むとか、留学生が感心して話していた。
最後に職業の話になり、中国の教員の給与は高くない、論文を書かないと身分が下がるのでプレッシャーが大きいとのことだった。給料のいいのは銀行、保険、証券とのこと。また、良い職業に就くには人脈が一番重要な社会とも。ということは、彼女一家は中国の資産階級ということかと、最後の最後になってイメージした。

2011/09/28


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