川北英隆のブログ

必要なのはハングリーな精神

東京に出てきて4ヶ所で議論した。日本を見ていると、どうしても暗い議論になるのだが、今日は明るい議論というか、こうすればいいのではという議論ができた。
今日の結論は、円高はチャンスだというものである。今の経営者は(以前からそうだが)、円高で苦しいと訴え、そう訴えるついでに自己暗示にかかっているように思う。円高だから、海外に打って出るチャンスに恵まれたと考えるべきだ。そのように意見が集約された。
某企業の従業員は、かつて英語ができないのに海外赴任を命じられたのだが、そのおかげで英語に秀でたそうだ。某サムスンの従業員は海外永住することを命じられ(本当に永住するかどうかは知らないが)、現地を必死に開拓する。
今の日本はどうなのか。海外永住なんて命じる企業はないだろう。もし命じたとしても、従業員側でパワハラだとの訴えが出たり、母親が「ウチの僕ちゃんをどないしてくれるのよ」と直訴したり、「即刻辞めます」となったりするだろう。要するに、企業も従業員も、とやかく言いつつ、現在の日本経済に安住している。
某サムスンではないが、ハングリーでないとグローバルな競争からどんどん落ちこぼれ、こじんまりとしか生き延びられなくなる。付け加えれば、「海外にチャンスがあるのに内に閉じこもる日本企業って何なのか、株式投資に値しない」との厳しい意見が示唆されていた。要するに、「円高は業績の敵」との発想に代表されるように、すべてを負のサイドからしか評価しないスタンスでは、経営者として失格としか言いようがない。評論家にでもなればいい。
そうはいえ、今の企業には火が付いている。海外に出て行かないと、倒産という悪夢が現実になりかねない。この流れの中、一番犠牲になるのは大学生だろう。当然のことながら留学生の多くはハングリーであり、語学も日本人より堪能である。企業も海外ですぐに働ける人材を求め始めている。この傾向を引き延ばすと、ハングリーでなく、安閑としている日本人学生の就職先はますます限定されていくだろう。
ということで、最後は学生への苦言になる。4年間だけしっかりと勉強すれば、その後の40年近くはそれなりの生活ができるわけだから、そう考えて学生生活を送るべきだ。4年間を遊び呆ければ、よほどの才能でもないかぎり、苦労に満ちた40年になるだろう。とはいえ、「それで何なの」と言われかねず、実はそれが一番怖い。

2011/10/21


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