川北英隆のブログ

大学入試の監督に思う

昨日、今日と大学入試の試験監督をやった。教員がほぼ全員参加だ。昨年の携帯カンニング事件のおかげで、ますます監督体制が強化されたのだが、その割に待遇がよくならない。
そもそも、以前の私立大学の時から問題だと思っているのは、土日出勤であるにもかかわらず待遇が悪いことだ。どの大学にとっても、今後4年間の学生を決定する一大事である。それにもかかわらず、旨くない弁当しか出てこない。今の大学ではそんな弁当でさえ、自前で買わないといけない。「でも、手当が出るのやろ」と問われたら、前の大学ではお涙が出たが、今は皆無だと伝えるしかない。で、(と書いて、以前もボヤいたようにも思えてきたが)監督した教室で何事もなくて当たり前、ミスがあれば怒られる。そうであれば危険手当がほしいくらいだ。
今年の試験監督は比較的楽だった。というのも、70名の受験生を3人で監督するのだが、どの受験生も「普通」だったことだ。黙々と答案を書き、文句も言わずに終えてくれる。「そんなの当たり前やろ」と言われるかもしれないが、実は当たり前でない。一番よくあるのは、トイレに行きたいと何人も手を挙げる事件だ。そうすると、付き添って行かないといけないし、個室で携帯を使ってカンニングしていないのかどうか聞き耳を立てないといけない。下手をすると、こちらが不審行為で訴えられかねない。
もっと適切な方法はないのか。残念ながら、大学は貧乏なので、カンニングに対して抜本的な対策を打ち出せないでいる。だから人海作戦、原始的な監視方法を駆使するしかない。「少しは旨い昼飯を食えるくらいの手当くらい出せや」とわめく以前の問題だろう。それとも、カンニングできない知能試験的なもので選抜する方法か。高校までに覚えた知識はセンター試験で確認できるし、大学に入って問われるのは「自分で考える力」なのだから。

2012/02/26


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