川北英隆のブログ

ゴミパゴス化した組織

軍人恩給に続きがある。恩給を受けていた本人が死亡した場合、遺族年金同等のものが支給される。扶助料と呼ばれる。特別傷病恩給だけは傷病者遺族特別年金であり、年金とされる理由は不明。
何をどこまでもらえるのかまで調べていないが、遺族である母親のために扶助料等の請求手続きをしないといけない。請求先は総務省人事・恩給局恩給審査課である。遺族に対する給付制度があることだけは知っていたので、ぼちぼち手続きをしようかなと思っていたら(時効は7年)、総務省から母親のところに書類が送られてきた。
手続きはいろいろと大変である。要するに必要な書類がどこにあるのか行方不明のことが多いから。今回つくづく思ったが、両親がしっかりしているうちに(80歳になる前に)、彼/彼女らが死んだ時に何が必要かを確かめ、書類をまとめておくべきだ。もっとも、それを老夫婦がしっかり仕舞ってしまうと、仕舞った場所が不明となりかねない。実際、両親は遺影用に揃って写真を撮っていたのだが、いざという時に出てこなかった。
今回の手続きに必要な書類に、母親が受給している公的年金を知らせるものがあった。母親の年金証書(手帳?)を探すのが大変である。「こんなくらい、そっち(総務省もしくは厚生労働省)で確認しろや」と思いつつ、面倒なので担当課に電話したら、年金振込通知書のコピーでいいと言ってもらった。その他、戸籍謄本(電子化されていたら閲覧権限者が確認できるはず)、同居していたかどうかの申立書(戸籍と同様、住民票によって閲覧権限者が確認できるはず)、公務員(旧軍人等)の死亡原因申立書(死亡届を出すのやし、その情報で堪忍したってや)が必要になる。これらを母親のために取得したり、書いたりしないといけない。
最後に扶助料の振込口座を知らせ、その口座の確認印を銀行でもらわないといけない。「本人名義の口座を指定した場合はええやろに」と思うのだが。実は、この確認印の取得を忘れていたというか気づかなかったため、郡山まで再度足を運ぶハメに陥った。「そういえば、自分の年金請求書類もそうやった」と思い出した。
インターネットでほとんどのことが済んでしまう世界に慣れてしまうと、役所の仕事はどんどん時代の流れから隔離されており、本当のガラパゴス化はここで生じていると思えてしまう。もちろん、実世界のガラパゴスはパラダイスであるから(環境問題が深刻なので、密かに見聞することをお勧めする)、「役所がガラパゴス化」とか、「日本の携帯電話がガラパゴス化」とかは言葉の使い方を間違えている。「ガラパゴスみたいにええもんかいな」だ。「ゴミパゴス化」でいいのでは。

2012/03/17


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