川北英隆のブログ

料理にまつわる雑談

読売新聞の日曜版に「味な話」というコーナーがある。わが家は読売を購読していないが、配達店が日経も取り扱っているので、「広告が欲しい」と家内が読売の本紙以外の配達もお願いしている。
読売の日曜版、実は楽しく、タダで読めると思うと大儲けした気分だった。過去形で書くのは、「あたしンち」の連載がこの3月で終わったからだ。その代わりだろう、「味な話」が始まったようだ。
そのコーナー、今日はM幸四郎だった。「妻と長女とスペインを旅することになった時」の料理のことに触れたかと思うと、「美味くて当たり前やろ」と思うだけの京都の高級店が羅列してある。自慢話でしかないか、現実離れしている。同じ料理の話題でも、日経の夕刊に連載されている小泉武夫氏のコラムと格段にレベルが違う。これもレベルが違って「当たり前」か。
料理で思い出したのが「うるさい料理屋」だ。
最初に「食べられないものはありますか」と質問するのが最近の流行りらしい。客としておおよそ食べるものを想定して来ているから、とくにアレルギーのものがあれば客のほうから自主的に申告すればいいだけだ。まさか蕎麦屋に入って「蕎麦が駄目なのです」とは誰も言わないだろう。
そんな変な質問に対し、気分が乗っている時なら、中国人風に「机と飛行機」と答えようかと思う(最近では「潜水艦」も中国人の食べられないリストに加わったようだが)。日本料理屋で「ヘビはともかくも、ナメクジとゴキブリ」なんて答えたら追い出されそうだし。
それと、料理を運んできていちいち説明する方式もやっかいだ。話の腰を折られる。それに唾が飛びそうだ。全部まとめて1口で食べられそうな前菜を1つ1つ説明された分には時間がかかり、終わった頃には最初の説明を忘れてしまっている。紙に書いてテーブルに置いておく方式の圧勝だ。
最後に、春の楽しみはタケノコだった。親戚が間接的にドンと送ってきてくれた。これも過去形で書くのは、その親戚が80歳をかなり越え、竹藪の管理が行き届かなくなり、タケノコどころでなくなっているからだ。それにこちらも大量のタケノコをどんぶり鉢で食べられなくなった。胃を壊すから。時の流れは食文化も変えてしまう。

2012/04/22


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