川北英隆のブログ

東証株価指数の最安値に思う4

東証株価指数が29年ぶりに近い安値を付ける一方で、元気な日本企業も多い。そこでクイズである。次の基準を満たす、投資家に満足をもたらした企業は何社あるだろうか。
クイズ;
2012/3末を基準として、連続してデータがある企業で、金融関係を除き、次の基準で企業を選ぶこととした。
第一に、5年前に投資したとして、損をしていないこと。つまり、2007/3末から2012/3末の投資で損益がゼロ以上。
第二に、その前の5年間、つまり2002/3末から2007/3末の投資で投資元本が2倍以上になっていること。
つまり、2002/3末に投資をし、2012/3末までの10年間、保有していたとすれば、投資元本が2倍以上になっていたことを意味する。それも、リーマンショックや欧州通貨危機を乗り切って、比較的安定的に2倍になったことを意味する。10年で2倍ということは、年率7.2%の投資収益である。これなら満足だろう。
クイズの答え;このような企業は73社あった。
ちなみに、ファーストリテーリング(ユニクロ)、ユニチャーム、ダイハツ、タムロン、コマツという、投資家や利用者への露出度の高い企業がちゃんと入っている。これらの企業の特徴は何かと言えば、とくにまとめられるものはない。海外展開力かとも思ったが、そうでもないようだ。強いて言えば、「個性があり、てんでばらばらなところ」、「官僚主義に染まった大企業が入っていないこと」かもしれない。
なお、上の条件を緩め、「この10年の投資で2倍」という条件だけにすると、299社を数える。この中には、ファナックや大手商社も入る。
高度成長の時代には、適当に経営していれば企業は伸びた。経済が低迷を続けている現在、経営の力量が問われている。利用者を惹きつける製品やサービスを生み出すよう、経営者を中心に本当に努力している企業が伸びる。このような企業を探しだすのが本当の投資だろう。日本には、まだそのような企業が相当数あり、捨てたものではないと思う。
注意:企業名は過去のデータと偏見および独断に基づいて選んだものである。当然、今後の投資成果を約束しているわけではない。イメージが浮かびやすいようにと思い、記しただけである。

2012/06/09


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