川北英隆のブログ

浅谷輝雄氏2

浅谷さんについて、思いが複雑だったので少し調べた。たとえば訃報がニッセイ基礎研のホームページに掲載されていないのか等。亡くなられた痕跡はなかったものの、若き頃の著書が出てきた。
浅谷輝雄『生命保険の歴史』(1958年、四季社)という。記念にその若き頃の著書を買おうと思い、検索したところ、最初にアマゾンで見つかった。よくあることで、出品者がふっかけている(1万円近くする)。そこで古書店のネットで検索した。よく使うのは「スーパー源氏」であるが、そこに出品されたものはなかった。次に「日本の古書店」で検索したところ、3点みつかった。
早速購入の手続きをした。送料ともで2000円少しだった。故人に対する敬意だと思えば、電報を打つよりも(もはや手遅れだが)余程ましだし、若い頃の浅谷さんの人となりを知ることができるだろう。来るのが楽しみだ。
よく知らないながら、浅谷さんは東京大学の数学科を卒業の後、大蔵省に入省され、アクチュアリー(保険料等の計算に携わる専門家)として監督官庁側から保険業界を見てこられた。当然のことだとはいえ、若い頃から生命保険業界のことに関心を持たれていたのだと、『生命保険の歴史』を知り、認識を新たにした次第である。
著書の注文と代金の支払手続きを終え、帰ろうと思って研究室を出ると、大文字山の少し北から満月が昇るところだった。浅谷さんのように、丸く輝く月だった。著書を購入したので、浅谷さんが顔を見せてやろうと思われたのかもしれない。

2012/10/29


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