川北英隆のブログ

秋本番の富士

昨日の朝、新幹線で京都に戻った。始発近い電車だったので眠っていると、車内放送が耳に飛び込んだ。三河安城を通過したのかなと思って目を開けると、「富士山が見える」とのことだった。
晴れ渡った空、秋の富士だった。頂上付近だけが冠のように白かった。頭の黒い鼠ではなく、頭の白い富士か。真っ白な富士もいいが、頭の白い富士もなかなかだ。
ぼちぼち山は冬かと思い、南アルプスの方を見渡した。白くなかった。ゆっくりと秋が深まり、冬に向かっているようだ。
名古屋を過ぎると遠くにうっすらと御岳の大きな姿が見えた。遠くまで見えること自体、秋が深まった証拠である。いよいよ車窓の風景を楽しむ季節に入った。もっとも、南アルプスと一緒で山のどこを見ても白くなかった。
関が原を過ぎると、伊吹山は草紅葉が始まったように見えた。夏の山腹の色とはまったく異なっていた。ちなみに、伊吹の南斜面に大きな木はない。何故なのか、調べたことはないが、薬草の宝庫だったことと関係あるのかもしれない(薬草の生育のために木を伐採したのか)。それはともかく、米原付近は朝霧の晴れた直後だったようで、伊吹の山腹に薄い雲が残っていた。
京都駅から大学までの交通の便は悪い。大学に行くのにどうしようかと一瞬迷ったが、天気が良いので地下鉄で今出川(同志社前)まで出て、そこから御所の北側を歩き、鴨川を渡って大学に行くことにした。
京都の紅葉はまだまだである。もちろん、夏の木々の色と今とでは明らかに違うが、かといって赤くも黄色くもない。やはり紅葉までまだ1ヶ月はかかるだろう。鴨川を今出川大橋で渡ると、北山が大きい。このブログで何回も書いたように、その北山から秋と冬が下りてくる。しかしながら、その気配はまだまだなかった。

2012/10/27


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