川北英隆のブログ

日本と中国の良好な関係

今日、友人と夕食を食べた。友人は中国と日本の提携に関するコンサルタントを行っている。サラリーマン時代は証券投資に携わっていたのが、M&Aに関係した後、今は独立している次第だ。
その友人の企業は昨年の尖閣列島問題によって大きな打撃を受けたのではないかと心配していたものの、かえって舞い込む案件の「本気度」が増して、余計な手間が少なくなったとのこと。中国企業で日本との提携に本気な企業もあるし、日本側にも「そうはいっても中国は無視できない」との企業もあるとのことだった。その結果として、今年に入って6回、中国に出張したとのこと。
友人が中国企業と付き合って得たのは、日本に対する中国の尊敬の念が高いとの事実だそうだ。具体的には、日本の近代における成功と、現在も続いている製品やサービスに対する緻密さを、中国として見習わないといけないとの常識的な感覚が強いらしい。
中国とアメリカの同質性が高いとの評価もあった。天動説的な世界観、感情にすぐに表れる人間味、頼られるとそれに応じて行動する性癖とのことだった。要するに親分肌である。
また、中国人、とくに金持ち層が中国製品に対して信頼を置いていないとも語っていた。医薬品に対する感覚がそうだとのことで、日本の胃腸薬を土産にすると喜ばれると語っていた。
付け加えると、中国人はインド人との交渉に弱いとも。同じことは別の人からも聞いた。華僑よりも印僑の力が強いとのことである。多分世界的な荒波の歴史が違うのだろう。ついでに言うと、インド人よりもイスラエルやレバノン人の方がしたたかだそうだが。
中国は大きな転換点を迎えている。大気汚染に対する反応がそうだろう。大気汚染度が大きく変化しているとは考えられないものの、民衆の反応が激変した感がある。それだけ中国の生活レベルが高くなった証拠である。中国政府は、この国民の意識の変化に対応しなければならない。これからの中国新政権の大きな課題だと思える。
まとめると、尖閣列島をめぐる中国の極端な対応は、主権者の保身のための反応の可能性が高い。日中の関係を修復する機会、それも日本として実質的に成果を得る機会が多いと考えてよさそうだ。もちろん、適当に天秤にかけるしたたかさも必要なのだろう。この点、日本の、それも東京人のくそ真面目さは大いに心配だが。

2013/03/06


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