川北英隆のブログ

リーマン超えでの株式投資

日経を皮肉ってばかりいたのでは仕方ない。重要なのは、株式投資に関するスタンスである。目的は、数年単位で見て、株式投資でいかに儲けるのか。この点、今日の日経朝刊が参考になる。
1面と3面に株式市場に関する大きな記事がある。その記事の基調は「個別企業」であり「事業構造改革」である。
言い換えると、かつての優良銘柄が上がるわけでもないし、ましてやすべての日本株が上がるわけでもない。以前にも書いたと思うが、経済の成長率が低下すると企業間の格差が拡大する。良い経営と悪い経営が峻別される。経済の成長率が高いと、余程アホな経営でもしないかぎり、それなりに儲かる。現在、そういう経営者にとってハッピーな時代は過ぎ去っている。
では、投資家としてどのように「株価の上がる企業」を見分けるのか。「こうすれば絶対」という基準はないが、重要な視点だけははっきりしている。
1つは、経営者(経営陣)である。経営者の顔が見えないといけない。カリスマである必要はないものの、企業成長と利益確保に関する定見がないといけない。個人投資家としては、製品やサービス、年次レポートやIRでの経営者の言葉から、経営者を評価することになるだろう。
次に、その定見が実現しているかどうかである。過去の売上高の成長率を見ないといけない。さらに、売上高もしくは使用総資産に対する利益率である。この利益率の場合は営業利益率を重視したい。その率として10%近い水準がほしいものだ。念のために言うと、営業利益率が低いと「利益なき商売」をやっているわけで、景気が悪化した場合に赤字経営に陥る危険性が高い。投資理論的に表現すれば、資本コスト(資金に対して投資家が要求する収益)を賄えない経営をしていることになる。
残念ながら、日本の大企業で以上の条件を満たしているところは多くない。小さな企業ではいろいろ見つかるのだが、見つけるのに手間暇がかかる。しかも、小さな企業の経営は不安定である。
個人的には、日本で見つけるより海外に目を転じたほうが早いと思っている。幸いなことに、円安基調に転じたようだから、余計に海外企業の魅力度が増していると考えているのだが、どうだろうか。こればかりは保証の限りでないので。

2013/03/09


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