川北英隆のブログ

京都の店・京大和

大阪で用事のあった知人の知人が京都に来た。昼の食事をというので、知人が京大和を予約した。知らなかったのだが、京大和のある敷地は京都の東山でも有数の眺望を誇っている。
今日は昼前から雨が降りだした。天気が良ければ歩いて行こうと思っていたものの、「雨では」というのでタクシーを呼んだ。ところが、雨でかつ観光シーズンだったため、10分は待ってしまった。また、京大和の敷地は広く、初めてなため、どこが入口なのかわからなかった。ということで、約束の時間よりも10分近く遅れてしまった。
通されたのは庭の向こうに八坂の塔の見える座敷だった。もう少し早く着けば料亭の由緒を含め、案内と説明があったのにと残念である。あらましはHPにあるように、西本願寺の別邸だったとか。また、幕末には坂本龍馬や桂小五郎らの会合にも使われたとか。
料理は、実は知人の知人らと会話するのに気を使い(ウソやというところだが、本当)、「そうそう料理の味は」と気づいた時には、大分コースが進んでいた。突き出しのモロコ、竹の子の天ぷら、アサリのご飯などが美味しかったのを覚えている。
部屋の外は、気象庁が「台風並み」と、自分達に降りかかるリスクのヘッジを込めた予報をしたわりには静かな風だった。それでも、青葉の目立ってきた庭に桜の花びらが舞い、八坂の塔をゆっくりと駆け上るように鈍色の空に消えていく。そんな景色を横目で眺め、あっさりとした、しかし目にも美しい京風の和食を楽しむ至福の一時だった。
これで、食事の後に仕事がなければ酒を堪能できたのにと、点睛を欠く思いだった。とはいえ、今日は竜のもたらした雨空と、坂本龍馬も来たことのある部屋との組み合わせだった。これで画竜点睛となれば、竜が3匹、多過ぎと非難されただろうか。4匹目であるお龍さんが、西本願寺の別邸に来たことがあるとは思えないが。

2013/04/06


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