川北英隆のブログ

日本株売りの米国株買い

言葉に出して実行しないのはポジショントークか評論家である。日本市場が一気飲みの状態に入ったと書いたからには、実行しないといけない。この行動のペアとしてアメリカ株買いがある。
行きがかり上、複数の証券会社に口座がある。先週の金曜日、入学式から帰り、次の仕事に移る合間に、ネットではない証券会社の口座を使い、携帯で日本株の売り注文を出した。当日の高値ではなかったが、午前中だったのでまだ高値圏にあった。当然、成り行き売りである。売ったのは衰退傾向にある某有名企業で、今後の方針が不明瞭な企業である。某規制企業も売った。これらは僕自身が買ったわけではなく、遺産として引き継いだものだ。
これと並行して進めているのがアメリカ株の買いである。こっちはネット証券の口座を使っている。原資となる米ドルの手当を含め、夜中に注文できる。
「日本株売り、米国株買い」の発想は、為替レートに関する見方、株式市場に関する見方、リスクの大きさとリターンの比較、以上の3つで説明できる。
1 為替レート:日本の貿易収支の赤字、経常収支の黒字縮小、日米の景気回復速度の格差など、これまで何度も書いてきたように、円安の流れに入った(むしろ、ようやく実現した)と考えている。だから、ドルのポジションを多く持っても問題ないだろう。
2 株式市場:アメリカ経済の回復基調が続く可能性は高いと考えている。このため、グローバルな株価上昇が続く。そうすれば、日本の株価も上がるだろう。とはいえ、これまでの日本の株式市場の上昇基調は、円安の進行と、アメリカ市場の上昇すなわち海外景気の回復に支えられた結果である。これらの支えなくして、自律的にさらに日本の株価は上がらない。だとすれば、日本株の代わりに、世界をリードするアメリカ株を買っていいではないか。しかも、PERで評価し、また企業活力を比較すれば、日本株よりもアメリカ株に割安感がある。
3 リスクとリターン:日銀は政府の忠犬として、ある意味で丁半博打に出た。どちらの目がでるのかはともかく、最悪の目が出る事態も考えないといけない。この「どちらの目が出るか分からない状態」を言い換えると、「リスクが大きい」となる。リスクがあるのなら、リターンも大きくて当たり前。でも、そんな大きなリターンを日本株に期待できるのか。さらに言えば、望ましい目が出れば、日本国民である以上、株式を保有していなくとも多くのメリットを受ける。悪い目が出れば「スッテンテン」になる。敗戦後の日本みたいなものだ。この「スッテンテン」だけは何としても免れたい。こう考えると、日本株(同様に日本国債)のポジションは減らすにかぎる。
ついでに書くと、過去30年近くの間、ずっと疑問に思ってきたことがある。それは、日本の多くの投資家や市場関係者が、株式投資とは日本株式への投資を意味すると思い込んできたことである。何故、アメリカ株を投資対象としてまじめに考えないのか不思議である。政治も教育も、グローバルな視野が強く要請されている。株式市場だけが国粋主義であるはずはないのだが。新聞も日本株を囃すだけでなく、グローバルな視点で市場を語らないといけない。

2013/04/07


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