川北英隆のブログ

笹子峠から雁ヶ腹摺山へ

久しぶりに笹子駅で降りた。東京に住んでいた頃、中央線で一本だから、笹子にはトレーニングに通った。よく登ったのが笹子の目の前にある滝子山。もう1つは、旧甲州街道の笹子峠である。
今回は笹子峠に登り、そこから尾根を東北東にたどり、甲斐大和駅(かつての初鹿野駅)に下りることとした。甲州街道(国道20号線)、中央高速、中央線のトンネルの上を歩き、笹子と反対側に出るコースである。尾根の上は静かに歩かないと、またまたトンネルが崩壊するかもしれないと心配しつつ。
笹子峠までは舗装された道路を歩く。といっても、夏の暑い日に旧道を通る車はない。現在(この年末まで)、笹子峠のトンネルから向こう側(甲府盆地側)が通行止めだったこともあるだろう。峠の手前に矢立の杉(樹齢1000年とか)がある。道路の周りはほとんどが広葉樹であり、美しい。新緑や紅葉の頃、ハイキングするのに楽しいコースである。
旧道は峠でレンガ造りの小さなトンネルをくぐっている。登山道はトンネルの右手にある。すぐに峠に出られる。
峠から南に下る尾根道も好きなコースである。新緑の頃、尾根道から木の間越しに大きく白い富士山が見えたのを覚えている。
今回は峠から北へと尾根道をたどった。かつて(記録によると1981年と85年に)たどった時には指導標などなかったが、現在はしっかりと設置されている。道も明瞭だった。その代わり、尾根筋の木々が成長し、展望は少なかった。それでも、時たま富士山や南アルプスが顔を覗かせる。
このコースはアップダウンが多い。名前のあるピークは、雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま、正式には笹子雁ヶ腹摺山)、米沢山、お坊山である。その間にも小さなピークがある。最後に大鹿峠へと尾根を下りる。そこから少し上がって左手側、枝尾根の道に入り、武田勝頼の菩提寺である景徳院へと下る。後は車道をたどって甲斐大和駅に出るだけだ。
景徳院の横を流れるのが、大菩薩を源流とする日川である。武田家(勝頼)滅亡の戦いで川が血に染まったと本で読んだことがある。周辺の石は鉄分が多いらしく、赤い。このために「川が血に染まった」となったのかも。
暑い一日だった。それを予想して2リットルの水を背負っていたが、それでも足りないくらいだった。尾根道は1300メートル前後の標高で少しだけ涼しく、かつ風があったものの、笹子から旧甲州街道の入口までと、景徳院から甲斐大和までは汗が吹き出した。トレーニングとはいえ、なかなか大変な一日(半日)だった。

2013/08/24


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