川北英隆のブログ

最近の若者は単純すぎる

そう思った事件が2つあった。1つは、安部ちゃんの靖国参拝である。もう1つは、ポエムと称せられる(本当の詩人は怒るに決まっている)「歯の浮く」言葉に簡単に踊らされる現象である。
靖国参拝を知ったのはニカラグアだった。瞬間、政治家として大きな間違いと思ったのだが、帰ってから漏れ聞くところによると「賛成」との声が多いとか。どっちも「アホやん」と思ってしまう。
政策的に中韓と妥協点を見出そうとしているときに、あえて混乱の種をまくのかと思った次第。それと、僕の父も靖国に何回か参っていたが、それでもインパール作戦を指揮した牟田口廉也中将が大嫌いだった。父自身がインパール作戦で大きな傷を負っただけでなく、同僚を含めて多くの命が奪われたからであり、第一線にいると無謀な作戦であることが歴然としていたからである。当然、「抗命」で知られる佐藤幸徳中将を尊敬し、戦後、山形にある墓を訪れていた。そんな、無能者も有能者も渾然と奉る靖国に、日本の政治のトップとして参ることは大きな問題である。個人的な感情を抑え、参拝なんてさし控えるべき類のものでしかないだろう。それとも靖国に何かのやましいことがあるのか。
そんな安部ちゃんに対して賛意を送るのは、余程歴史を知らないのか、極端に右傾化しているのか、どちらかだとしか思えない。もっと冷静に、少なくとも功利的に判断すべきである。
「ポエム」に関しては、ナチスを連想してしまう。言葉に踊らされているとしか思えない。そもそも自分自身の思想というか考えがないのではないか。自分で考える習慣がなければ、ずる賢い者の言葉にすぐに乗せられてしまう。「振り込め詐欺」の若者バージョンと表現しても過言ではない。
学校教育が間違っていたのだろうなと思う。知識をフォアグラのガチョウさながら、詰め込むだけ詰め込まれたのか。大学院でも、分析方法やデータの在処を質問するのはまだ許せる方で、「何を研究テーマにしたらいいのか」と臆面もなく質問されるのにはびっくりする。テーマを探り出せば、研究の半分は終わったようなものである。
いずれにせよ、そんな風潮を見聞きするにつけ、日本に対する悲観論がまたまた台頭してしまうのであった。何て、小説風の書き方。

2014/01/14


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