川北英隆のブログ

貿易統計2014年3月

この3月の貿易統計が財務省から公表された。新聞でも報じられているように、3月は1兆7000億円近い輸入超過だった。季節性を調整した数値では輸入超過額は1兆7000億円を超えている。
季節調整後の輸入超過額は1月に次ぐ大きさである。1月は消費税アップ前の駆け込みの輸入と、中国の旧正月という特殊要因(輸出の減少)があり、輸入超過が大幅に膨らんだ月だった。それにもかかわらず、3月の輸入超過額がその1月とほぼ同じになったというのは、日本の輸出が弱い証拠である。
ちなみに、3ヵ月間の輸入超過額を平均すると、3月時点では1兆5684億円となる。この金額は1月時点の数値を上回っている。やはり日本の輸出が低調な証拠がここにもある。この要因は、輸出量が増えていないというか、むしろ低迷を続けていることと、円安にもかかわらず輸出単価が前年同月比4.3%の上昇にとどまっていることにある。
一方、輸入は、単価は前年同月比5.9%の上昇にとどまり、かなり落ち着いてきているものの、数量の上昇が効いているため、輸入総額(季節調整済み)はほぼ1月に匹敵する規模に達した。
以上、3月の数値が公表されると、2月に見られた輸入超過額の減少は、やはり一時的だったのではと思えてしまう。

2014/04/21


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