川北英隆のブログ

サッカーから株式市場を思う

今日、仕事を大分片付けたので(といっても、大物が残っているのだが)、夕方テレビを見ていた。と、サッカーの日本チームが帰国だとかで実況中継を交えて大騒ぎしていた。「へえー」と思った。
サッカーにほとんど興味がないのだが、新聞が毎日、大きなカラー刷り写真を散りばめ取り上げているので、ちらっと見ている。その「ちらっ」の印象では、今回の日本チームの面白くないこと、はなはだしかったらしい。サッカー好きの知人と話していると、技術力もそうだが、覇気もないとのこと。ギリシャ戦だったか、引き分けた試合のビデオを寿司屋がかけていたが、そこの板前が「面白くないな」というのでチャンネルを途中で変えてしまった。
さて、今日の帰国テレビを見ていて、ふと「何かと似ているな」と思い、「日本株みたいなものか」と悟った。日本市場には面白くない株が多すぎる。経営に覇気もない。これらは海外と比較すれば一目瞭然である。それにもかかわらず、その日本株をもっとたくさん保有しようとのキャンペーンを政府が張っている。何故なのか。
愛国心からだ、日本企業が良くなれば国民がハッピーになるからだとの答えが返ってくるのだろう。もしくは、海外株の水準はバブル的、日本は割安と答えるのだろうか。前者の答えに対しては、どら息子を甘やかすようなものだと反論しておきたい。覇気のない会社の株を需給で一時的に持ち上げれば、その経営者が「ワテにも経営力があったやん」と勘違いするだけである。後者については、いずれにしても日本の株価は海外任せ、海外がバブル的で、それがはじけたのなら、日本株も下がってしまうだろう。ひょっとすれば、何倍もの速度で。
日本のサッカーを贔屓にし、応援するのは個人の勝手である。「もうちょっと他のスポーツがあるやろ」と思ったりもするが、そう言ったものなら、「山登りのどこが面白いのや」と反論されるのが落ちかも。
これに対して、政府による日本株の応援は、その多くが年金資金を使ったものである。一部は日銀の資金を使っている。どっちも、元をただせば国民のお金である。そんな大切なものを「勝手に使わんといてくれや」と声を大にして言いたいものだ。

2014/06/27


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