川北英隆のブログ

海抜ゼロから北アルプスに3

当日の栂海山荘の宿泊者は兵庫三田からのオジさん、ツアー客10人、そして僕だった。ツアー客(オバさん)が夜中にネズミが出るとか、トイレに行くとクマが出そうで恐いとか騒いでいた。
トイレは外部にあり、原始的な作り(谷に落とす方式)なので気持ちはよくないが、そんなことを言うてたら「中国の"こんにちは"方式のトイレでどうするのや」とか、「子供の頃にトイレの屋根裏(天井がない)からネズミを飲んだ大きなヘビが落ちてきた体験があんで」とか思いながら寝入ってしまった。
全員が4時過ぎに起きた。栂海新道を登るのは僕だけだったが、下りにしてもコースタイムは長い。安全を見て全員が早々に出立をと考えていたわけだ。
日が昇ると、朝日岳は曇っていた。その姿を見ながら登るわけで、雲が低くなったり高くなったりする様子に一喜一憂しながら、まず犬ヶ岳を越えた。黒岩岳(1624メートル)までアップダウンが続く。
黒岩岳を越すと湿原地帯に入る。水が豊富であるが、その有難味はほとんどなかった。雨雲の中に突入したからである。傘で対応しようとしたが、草にズボンがどうしても触れてしまい、濡れるので、レインコートに着替えた。靴が湿原の泥で汚れているので、ズボンを履くのに一苦労だった。
池塘混じりの湿原と灌木の中の登りが交互に現れるコースである。長栂山(2267メートル)を越し、その長い山頂をトラバース気味に下ると吹上のコルに着く。ここで、長野側、蓮華温泉からのコースと合流し、栂海新道が終わる。
後はガレた朝日岳を越す。晴れてきたので、咲き残っている高山植物を撮った。
38年ぶりの朝日小屋はきれいな小屋になっていた。オバさんが取り仕切っている。12時丁度にチェックインした後、小屋で昼飯にした。
写真は白鳥山付近から見た犬ヶ岳(手前の台形のピーク)と朝日岳(犬ヶ岳の奥)である。
犬ヶ岳と朝日岳.JPG

2014/09/21


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