川北英隆のブログ

海抜ゼロから北アルプスに

一度歩いてみたかったのが海抜ゼロメートル、すなわち海岸から北アルプスに登るコースである。北アルプスの主稜が海に尽きるというか、海から顔を出すのが、かの有名な親不知である。
このコースを知ったのはいつだったか、多分社会人になってすぐの頃だったと思う。その稜線の途中に犬ヶ岳(1593メートル)がある。かつて、年賀状に干支の山を使っていたことがある。その時に明確にこのコースを意識した。登った干支の山しか使わない方針で年賀状を作っていたはずなので、犬ヶ岳は登場させなかったと思うが、いい加減ながら、今となっては不明である。
それをついに歩くことができた。今回歩いたコースを紹介しておく。
最初の宿泊地は親不知だった。登山口に親不知観光ホテルがある。そこを使うのが便利である。何故なら、北陸本線の親不知駅から登山口まで距離がある。1時間くらい、狭くて交通量の多い国道8号線を歩かないといけない。もしくは泊駅からタクシー利用となる。多分5000円くらいするのではなかろうか。そんなところ、ホテルに連絡しておくと車で迎えに来てくれる。
そのホテルから親不知の海岸まで遊歩道が付けられている。高度差80メートルとのこと。まず、海岸まで散歩してゼロメートルの地に足跡を残しておく。犬みたいだが、犬ヶ岳に登ることだし、仕方ない。
翌日、ホテルの向かいにある登山口から登り始める。コースは栂海(つがみ)新道と呼ばれている。その日の宿泊地は犬ヶ岳の肩に建てられた栂海山荘である。利用するには事前の連絡が必要だとか。少し年のいった感じの女性が電話で応対してくれる。つい「栂海小屋」と言ってしまったら、「山荘ですね」と訂正された。
次の宿泊地は大分迷ったが(もっと先まで行けるかもと)、朝日岳(2418メートル)から少し下りた朝日小屋にした。実は以前に朝日岳から南の稜線を歩いたことがあるので、そこまでで満足したわけだ。
最終日は朝日小屋から北又ダム(黒部川の支流)まで下り、そこから林道を2時間歩いて小川温泉まで出た。そこで一風呂浴びる計画だったが、露天風呂の掃除のためか、日帰り入浴がなかった(日帰り500円と1000円コースがあることを、前日の小屋で同宿だった登山者から聞いて確認していたのだが)。
仕方ないので泊からタクシーを呼び、泊駅に出た。4250円だった。登山者の多くは、泊から北又ダムまで相乗りでタクシーを利用するらしい。朝日小屋のおばさんの言から推測するに、4人だと1人2000円程度らしい。
ちなみに関西からだと特急サンダーバード(雷鳥と言うたれや)で富山まで出て、そこから各停を使って泊もしくは親不知まで行く。栂海新道を下る場合は泊駅の利用である。もしくは白馬経由で下る登山者が多い。

2014/09/18


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