川北英隆のブログ

日本株に投資して報われたか

分析の第2弾である。日経平均は1889年12月末に最高値を付け、その後に下落した。では、その年末に個別の株式に投資し、今までずっと持っていればどうなったのか。製造業で分析してみた。
製造業で分析した意図は、京都企業の有名所に製造業が多いからである。結果はといえば、1990年1月から2014年8月末まで、継続して上場している製造業(ただし、現時点において東証第1部に上場している企業は)656社ある。そのうち、この約四半世紀、配当を加味してプラスになっている(つまり損をしていない)企業は215社だった。一方、同じ基準で京都企業(京都に本社のある企業)を評価すると、21社中11社がプラスだった。大雑把に言って、東証第1部の製造業では1/3が、京都の製造業は1/2がプラスであり、京都企業の勝ちである。
しかし、単純にこの四半世紀を通して損をしていないだけでは物足りない。損しないだけで満足なら、現金をタンスに寝かしておくのと同じだから。株式投資なら、せめて年間7%の投資収益率程度は欲しいと思うと、その基準に合致した企業は極端に少なくなる。
繰り返せば、製造業だけを分析しているのだが、この基準に合致するのはわずか10社。順に、日本電産、ピジョン、ユニチャーム、キーエンス、参天製薬、久光製薬、シマノ、タムロン、HOYA、村田製作所である。この10社の中に京都企業が2社入っている。
日本株に投資して、タンス預金以上の投資収益を得るのは、この四半世紀は至難だった。今後どうなるのか、過去の実績から断定できないものの、にわかに簡単になるとは思えない。とはいえ、十分な成果をもたらしてくれる企業があるのも事実である。だからこそ、株式投資は面白い。一種の知的ゲームだと思っている。
もう1点だけ、この面白さを日本市場だけに限定するのは「井の中の蛙」か、政治的偏見というものだろう。

2014/09/28


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