川北英隆のブログ

何かと話題のアラブを垣間見て

今回の旅行はイエメンだった。イエメン全域には外務省から退避勧告が出されている。その関係で、日本国内でイエメンのビザも取れなくなっている。では、そんな国に旅行して大丈夫なのか。
結論は、旅行したソコトラ島(イエメンの海上の領地)は安全だった。それと、ビザは事前に旅行会社が手配し、現地で入手できるようになっていた。
今回の旅行の半年程度前に、旅行会社が事前調査をしていた。その調査から、ソコトラ島に大きなリスクはないとの判断がなされ、私募ではあるがツアーが企画されたとのことである。もっとも、旅行会社が私募としたのは、外務省の勧告を尊重して、ツアー計画を公にすることが良くないと判断したのだろうが。
本音では、ソコトラ島に着くまで不安がなかったと言えば嘘である。しかし、飛行場に着くと(そんなに十分な経験はないものの)、安心感が大きくなった。現地ガイドを観察し、彼らの緊張度合を見ていると、普通の発展途上国程度でしかない。最近行った国と比較すれば、エチオピアの首都、アジスアベバよりもガイドは緊張していない。ソコトラ島の人口が少ないこともあろうが。
島に滞在している間、危険が生じたことはもちろん、危険を感じたこともなかった。平和な島だった。前回書いたように、島から帰る途次に寄った本土の町、ムッカラで多少の緊張を感じたのと対照的である。
とはいえ、アラビア半島には絶望的ともいえる格差がある。ドバイはもちろん、他のアラブ首長国連邦(シャルジャ、フジャイラ)での日本以上の豊かさを目の前にすると、それと、イエメンの比較的豊かだろうソコトラ島とでは、月とスッポンとしか言いようがない。現地人に多少の教養があり、格差を痛感すれば、彼らの発想が過激になったとしても何の不思議もないように思えてくる。
その格差を緩和しないことには、飴と鞭の政策をいくら試みたとしても、武力闘争は絶えないだろう。さらには、厳然たる国境と宗教的な派閥とが、格差による過激な行動の修正をより困難にし、むしろ煽っていると感じた。
追記:現在、イエメンの首都では現政権の体制が揺らいでおり、ますます混乱の度を増しているようだ。ソコトラ島に影響が及んでいるとは思えないが、そもそもイエメン本土はアルカイダの拠点である。旅行するには最新の情報を入手して安全を確認する必要があるだろう。

2015/01/22


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