川北英隆のブログ

先読み投資ができなくて大失敗

昨日、「無機質な東京には住めなくて」を書いて思い出したことがある。楽天的なO型のため、完全に忘れていたが、東京に強制的に移住させられた大儲けのチャンスに、むしろ大損した事実である。
どういうことかというと、不動産投資である。東京に移住したのが1977年、当時の三鷹は武蔵野の面影を残していた。雑木林が残り、初春の雨風が原野の土と木の香りを運んできた。土地の値段も高くなかった。そんな不動産を買おうと思ったことも少しはあったが、「でも、どうせ数年で大阪の本社に戻るのだから」と思い、本気で考えなかった。
今から反省するに、当時は都市化が進行していた時代であり、また日本の人口そのものが増えていた。この事実に対する認識はあった。とすれば、東京の不動産価格は上がるに決まっている。経験不足から、この簡単な推論ができなかったのである。だから、東京での不動産を早い段階では手当てしなかった。
その結末はといえば、東京での居住を続けさせられ、しかも1980年代後半にバブルが発生して、借りていた一軒家の家主から「出て行ってもらいたい」との連絡が入った。家主が僕に貸していた家を売却したいからだった。このため路頭に迷い、しかも猫問題をかかえていたので(猫を住まわすために一軒家が欲しかったので)、バブルの最中に家を買った次第である。
結果は言うまでもないだろう。もちろんヘッジはしたものの、購入した家だけで考えれば大損だった。東京に移住させられたことを幸いに、早い段階で家を手当てしていれば大儲けできたのに、現実には大損をくらったいう話である。お粗末。

2015/02/24


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