川北英隆のブログ

こんな電鉄会社の株は買わない

電鉄会社の株式が上がっているようだ。相続の結果、保有するはめになった某電鉄株を観察しているから、株価がわかる。個人にとって電鉄は株主優待の優であり、関西人には昔から人気があった。
今日は新幹線で東京に出てきた。ついでに日経の記者と会う約束をしていたのだが、新幹線が岩国付近の大雨の影響で遅れていた。大阪始発の遅れは10分弱だったので、約束にできるだけ間に合わそうと自由席に飛び乗った。と、その車両は「のぞみ」にしては珍しく(お盆の帰省の関係で増発しているからか)古い型(単なる700系)だった。
乗ってから思い出したのだが、その飛び乗った「のぞみ」は当初に乗ろうと思い、「しかし700系だから避けよう」とした便だった。避けた理由は、700系の座席がくたびれていて、微妙に尻が傾くからである。その傾きを気にしながら、「高い料金を取っているんやから、座席を取り換えたれや」「多分、社員のほとんどが気づいていないのでは」「役員は当然グリーンだろうし(グリーン車は使用頻度が低いので座席もまだくたびれていないだろう)」と思った。こんな現場感覚の乏しい会社の株は買ってはいけない。新幹線が独占事業だから成り立っているだけである。
僕が相続した電鉄会社はもっと酷い。古い車両を使っているのは仕方ないとして、ずっとまえからだが、車内放送用のスピーカーが傷んでいて高音部が割れる。えらく耳障りである。「替えたれや」と思う。車掌には車内放送のチェックのしようがない。偉いさんは通勤電車なんて乗らないのだろう。このように現場感覚が皆無に近いから、この会社の業績が冴えないし、多角化した事業が成功してこなかったに違いない。
企業の商品やサービスを見れば、その企業の経営の質が透けて見える。今日は、買ってはいけない株の例示だった。

2015/08/17


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