川北英隆のブログ

個人投資家が株で儲けるには5

このシリーズで前回書いた分散投資の発想は、「市場の平均よりも、いかに効率良く儲けるのか」にある。では個人投資家の発想は何か。多くの場合、市場平均を意識することはないし、その必要にも乏しい。
要するに、「株に投資して何ぼのもんや」でしかないだろう。
もちろん、ETFを含む投資信託を買い、市場平均に勝つことを目指すことも理論的にはありうる。しかし、投資信託には手数料がかかる。アセットマネジメント会社が投資信託の資金運用を真面目やってくれる保証もない。もっと言えば、買った投資信託には他の投資家の資金の出入りがあり、このために投資パフォーマンスがどうしても低下してしまう。つまり、個人投資家にとっては、市場平均を意識して、さらにその平均に勝つのはなかなか大変である。
それよりは、これと思うのを数銘柄保有し(1銘柄でもいいのだが)、その値上がりを楽しむスタンスの方がいいと思える。多くの銘柄を保有すると、どうしても市場平均に近くなる。多くの場合、どれかが上がれば、どれかが下がることになる。だから、大損はなかなかしないが、かといって大儲けもできない。一攫千金を狙うのなら、たかだか数銘柄の投資が望ましい。
念のために書いておくと、現物に投資しているかぎり(つまり普通の株式投資であるかぎり)、リスクは知れている。株価がゼロになることは滅多にない。ゼロにならなければ、どんな株でもどこかで反発する。とりわけ、このシリーズで書いているように、素晴らしいと思える企業に投資していれば、いずれ値上がりが楽しめるだろう。
それで「アンタはどや」と聞かれるかもしれない。正直なところ、僕はどちらかといえば移り気なので、ここで書いた投資方法とは縁が薄い。数銘柄だけに投資するなんてことは、まずできていないと白状しておきたい。

2015/09/05


トップへ戻る