川北英隆のブログ

過去の富裕地帯だったオマーン

日本ではあまり知られておらず、嘉門達夫の歌(って何や)にしか出てこないようなオマーンも、かつては富裕な地域だった。アラビア半島のイメージとは異なり、ある程度の雨が降る。オアシスも多い。
雨は、最高3000メートル級の山があるからだろう。そこに海からの湿気がぶつかって雨が降り、その水が山から流れ落ち、もしくは地下水となってオアシスを形成している。
世界遺産にもなっているオマーンの灌漑施設「ファラジ」も、雨を源とした水を利用するための工夫である。今回の旅行でも、世界遺産に登録されているかどうかはともかく、いたる所に灌漑施設があった。実はこのファラジ、イランでの灌漑施設と同根らしい。
では、水は何に利用されているのか。もちろん飲み水であり、農業である。その農業のうち、最大のものはナツメヤシであり、その実のデーツである。オマーンは世界でも有数のデーツ産地であり、自国で消費されるとのことだった。
この豊かさが、オマーンの村々の閉鎖性を作り出しているとの記述もあった。パプアニューギニアが自給自足しているのと同様、アラビア半島でも自給自足が可能な地域があったということである。砂漠のイメージからはほど遠い。
写真はオマーンのオアシスの村である。水が豊富で、ナツメヤシが茂り、畑がある。中央付近に要塞の塔も見える。渓谷の散策では、膝の少し上まで水に浸かって歩いたりする。贅沢な村である。
オマーンのオアシスの町.JPG

2016/02/22


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