川北英隆のブログ

日本の株式市場は仕手株の本命

今日、さるところに(見ている人が比較的多い有料情報端末サイトに)ブログの原稿を出した(毎週だが)。そこで書いたことをある程度繰り返しつつ、書いておきたい。ただし雑談交じりである。
前から、日本の株式市場の変動率が大きいと思っている。実際、2%変動する日が多い。NY市場やナスダック市場の値動きを毎日確認しているが、通常の日に1%動くと大きいと感じる。2%も動けば「何があったの」と問いたくなる。
今日も日本は2%以上上昇した。だから、目出度いと思っている投資家が多いはずだ。しかし、これって中長期的には良くないことである。
先日も某投資家と雑談していると、日本の株価変動が大きいとの話になった。その時に言ったのは、「日本市場全体が仕手株やないの」との感想である。仕手株の多くはボロ株である。ボロ株だから、何かの拍子に業績が大きく変動する。そうであるから株価も大きく反応する。
では日本市場全体が仕手株、ボロ株に相当するとはどういうことなのか。
大きな要因は上場企業に成熟企業が多過ぎて、逆に伸び盛りの企業が少ないということである。もちろんすばらしい企業が皆無だとは言わない。しかし、そのような企業が少数でしかなければ、市場の大勢に抗することができない。同時に、その成熟企業が世界の覇者とはなっていない。だから、価格面での主導権を取れず、業界の波動の影響を大きく受け、波のまにまに漂ってしまう。
もう1つの要因は、成熟企業の中にボロ株が混じっていることである。さらに東証株価指数の場合、その中に2000社近くの企業が含まれている。だからボロ株相当の企業も相当数に達している。そのボロ株のウェイトは小さいながらも、チリも積もれば山となる、日本市場においてボロ株の影響力はバカにならない。
日本株全体が仕手株だということは、日本株全体に対して投資したとしても、それを長期間保有するなんて、夢のまた夢、幻想でしかないだろう。
個人投資家にもETFが浸透してきた。そのETFには東証株価指数を代表として、幅広く投資しようとの投資スタイルが多い。同じことだが、東証株価指数のような幅広い投資対象を目標としたETFも多い。
考えないといけないのは、東証第一部の全株式に投資することが儲かるのか、そうでないかである。ボロ株の議論を思い出してほしい。僕としては「幅広く投資したとしても、決して儲からない」、むしろ「アホやん、頭を使えや」と思っている。

2016/06/20


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