川北英隆のブログ

世界危機遺産の国コンゴとは何

猿というかゴリラの話は終りかと思っていたところ、もう1つだけ書かないといけないことがあった。それは、今回訪れたヴィルンガ国立公園とカフジ・ビエガ国立公園が世界自然遺産であり危機遺産だという事実である。
ゴリラの生息地が住民の生活圏に密接していることはすでに書いた。農耕地として森が切り開かれてきた。コンゴはゴリラの生息地域を国立公園として護っているのだが、あまりにも財政が貧弱である。同時に、国連軍が駐留していることから判明するように、治安に不安がある。
いずれもがゴリラにとって悪い事実である。このため、ゴリラの数は減り続けているらしい。別のニュースだが、国際自然保護連合(IUCN)によるとゴリラは「最近20年間で生息数が7割以上減って5千頭を割り込んだ」とされる。このため、9月に入ってゴリラを絶滅危惧種の中でも最高レベルの「近絶滅種」に分類したとのことである。
世界遺産の中での危機遺産の一覧を見ると、コンゴでは4つ(すべて動物中心の自然遺産)がそれに指定されている。密漁、難民流入、治安悪化が主な理由だが、もう1つは違法な木炭売買ともある。そういえば、ヴィルンガ国立公園の中、ゴリラを見るため、ニイラゴンゴに登るために移動していると、たくさんの大型トラックが大量の木炭を積んで奥地からゴマへと走っていた。写真がそのトラックである。
すばらしい観光資源を持ちながら、それを活かせないばかりか、むしろ無為に失いつつある国、コンゴって何なのだろうか。アフリカの発展を願うのなら、まずはゴリラのために支援をすべきだと思ってしまった。
炭を運ぶトラック.JPG

2016/09/05


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