川北英隆のブログ

独居者のための入院信託が必要

友人の父親が倒れた。95歳近くになると思う。母親はすでに介護施設に入っているから、父親は一人暮らしと聞いている。年齢の割に元気なのだが、進行の遅い大腸癌によって腸が詰まり、入院となったそうだが、困ったことが起きた。
最近の大きな病院は診療報酬を確実に徴収するため、支払い保証人を要求するらしい。友人の病院では2人が必要とのこと。そんなの、家族が少ない時代だから、簡単に集められない。友人は「診療報酬を支払うのに十分な収入がある」ことを示すため、名刺を渡し、交渉して「1人でええやろ」と納得させたらしい。
入院に際して問題なのは、それだけでない。寝間着(パジャマ)、着替え、洗面具、水、老人であれれば紙おむつ、その他病院生活に必要なものがいる。寝たきりでないかぎり、お金も必要だろう。着替えは洗濯しないといけない。こんなのを急に入院という時に病人自身が揃えるのは不可能である。
友人の場合、当然彼が手助けすることになったのだが、老人はわがままを言う。たとえば「誰それに連絡したいので、電話をしてくれ」とか。わがままでなくても、入院が長期になると、新聞や郵便物をどうするのかも手配しないといけない。
ということで、それら諸々を誰かに管理してもらえれば非常にありがたいということになる。その方法として一番良いのは信託だろう。入院信託(入院に関して生じる上記のような事柄への対応)を契約し、万が一の場合に備えてついでに遺言信託も手配しておけば万全である。
「入院 信託」でざっと検索してみたが、それらしいものは引っ掛からなかった。商品として開発してほしいと思う。

2016/10/27


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