川北英隆のブログ

柳井の町と地方経済の実態

高照寺山を下り、高畠から柳井に出た。昼飯を食べて、柳井から広島へ電車で戻るためである。実は国道437号線沿いの食堂で食べようと思ったのだが、その日は月曜日、多くが定休日だった。
柳井に戻ったものの、そこも多くが休んでいた。「どないなってるんや」と思った。というのも、柳井は観光で売り出そうとしているから。写真のある白壁の街並みが観光スポットである。後は瀬戸内海の島も観光スポットだろうか。
白壁の街並みには醤油の醸造所がある。立ち寄るべき場所とのこと。誰でも簡単に、無料で入ることができる。醤油などを売っているのだが、番人がいない。これまた「どないなってるんや」というところである。
子供の頃、実家の近くにも大きな醤油屋があり、門が開いていて、いつも少し焦げたような匂いがしていた。同級生の親戚の家だった。しかし、当時はそんなものにあまり関心がなかったので、醸造している現場に入ったことがなかった。今回、初めて入ってみて興味深かったが。
写真でもそうだが、醤油屋も、人っ子一人いない。って、写真には奥に小さく1人写っているが。月曜日だとはいえ、観光を売りにしようとしているのに、寂しい限りである。それで昼食だが、街中でようやく営業しているうどん屋を見つけて入った。輪番で営業するとかしないと、やはり観光客が失望するだろう。
そもそもJR西日本にも商売っ気がない。大畠駅はもちろん、柳井駅もICカードが使えない。新幹線をカードで降り、そのまま在来線に乗るとえらい目に遭う。
実際、知らずに新幹線をカードで降りた。大畠では在来線の乗車賃を現金で払った。帰り、予約していた新幹線にカードで乗ろうとすると、自動改札が開かない。カードには在来線への入場記録があるのに、出場記録がないからである。カードの記録を消してもらい(本当は大畠で降りたという証明書をもらわないといけないが、「君の降りた駅の名は。」と聞かれ、それに答えて許してもらい)、ようやく新幹線に入場できた。
柳井も大畠も山陽本線である。観光客を呼び込むためにも、ICカードぐらい使えるようにしたれやと思う。
山陽本線沿いの岩国、柳井、下松、徳山、防府付近は地理で習ったコンビナート地帯である。今回は岩国付近で大きな化学工場が見えた。しかし、プラントの多くは老化している。撤退や閉鎖もいくつかある。柳井にはかつて日立の工場があったとか。それも今はない。
代わって栄えているのが老人ホームである。車で走ると柳井付近にも大島にもいくつもある。気候が温暖だかららしい。労賃も安いとのこと。求人は最低賃金が相場だとか。その賃金でも、農水産物の物価が安いので、何とかなるのだろうか。
白壁の町・柳井.JPG

2017/02/01


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