川北英隆のブログ

現代の鬼はかわいそう

昨日は節分、今日は立春。そんな日、研究室に出かけた。街中を通って通勤(通学?)すると、民家の玄関先に豆が落ちていた。「鬼は外」と蒔かれた豆である。踏みしだかれていた。
荒神橋の近くに清荒神(護浄院)がある。というか、清荒神の近くの橋だから荒神橋である。昨日は節分会が盛大に催され、お参りも多かっただろう。まだ節分の飾りが残っていた。
何回か書いたように、京都大学の正門は吉田神社の参道に面している。参道には節分の2日、3日と露店が並ぶ。清荒神と同様、節分会は吉田神社にとっても最大の祭りのようだ。
今日、露店はすでに片付けられていたものの、食べ物の汁がこぼれていたり、ゴミが少し落ちていたりして、まだ賑わいが聞こえてくる。
参道の先に吉田神社の大きな鳥居があり、吉田山の森がある。その森から煙が立ち上っている。ゴミを焼いているだけである。大学に勤務してすぐの頃、「何の煙やろ」と神社の境内に登ったことがある。化学物質の時代、臭いだけだった。
今日はよく晴れていた。そこで大文字山を経由して帰った。北斜面には雪が残り、道の水分が凍てている。谷筋に出ると風が冷たい。日差しが随分と高くなり、強くなったが、周囲にはまだ冬が残っている。
山に花はない。ツバキも咲いていない。昨年の1月中旬、周防大島の山を歩いたとき、ツバキが咲いていたのを思い出した。大文字山にツバキがまだ咲かないのは、今年が寒いからなのか、周防大島が温かいからいち早く咲くのか。暇があれば調べようと思うが、多分何もしないだろう。
そういえば、大学構内、医学部の紅白のウメだが、ようやく紅梅が咲き始めた程度である。昨年より1ヵ月遅い。
蹴上に下り三条通を歩いていると、歩道の端に地味な花が置いてあり、襟巻が落ちていた。と、襟巻ではなく、イタチだった。車に轢かれ、絶命したようだ。道端の花はそのイタチに対するものなのか。
イタチ、鬼は外で家から逃げたところ、車と出会ったのかも。本物の鬼ならともかく、イタチは角の生えた連合いと一緒で、家の中にいても別にかまわないのにと思う。京都の町にイタチがよく似合うとまでは言わないが。成仏を。

2018/02/04


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