川北英隆のブログ

窮鼠朝日がポチとボスを噛む

もりかけ事件、どう考えても政府の大醜態である。糞味噌にいじめられていた朝日がカウンターでKOを奪った。「朝日の報道によると」と、間接話法で事件当初を報じていた他の大新聞社、その及び腰も情けない。報道の独立性、中立性が疑われても仕方ない状況だ。
政府だが、これが民間企業であればどうなるのか。社長以下、ずらっと記者会見をし、一斉にハゲ頭か白髪頭をフラッシャの前に突き出して深々と謝る。そして、たいていの場合、「社長としての監督不行き届き、その責任を取り、辞任いたします」となる。事件の顛末を報告された政府は、「辞めるのは当然」、「新たな体制で・・」と言わんばかりに反っくり返って見せる。
では、今回の政府の対応はどうなのか。まだいろいろと言い訳しているようだが、各省庁の幹部(審議官以上だったか)の人事権を安倍政権が牛耳っている事実こそポイントである。内閣人事局が幹部人事の名簿を作成し、それを政府が(菅サブボスが中心となり)チェック、審査するように人事制度を変えたのである。
役人は全員ポチになれということかもしれない。少なくとも尻込みしながらキャンキャン吠えるスピッツでは出世できない。
問題の佐川ちゃん、国税庁長官にまでなったのだから、このチェックと審査にパスした犬材というか、逸材というお墨付きをもらったことになる。
つまり、安倍ボスとして「佐川が勝手に暴走しただけ」とは言えない。きわめて重い任命責任がある。「人を見る目がない、節穴か」と非難され、「任命責任をどう始末するのか」と迫られて当然だろう。
むしろ、「公文書をそっと書き換えるなんて、ういヤツ」というご褒美から、国税庁長官に成り上がったと勘ぐられても仕方ない。実態は、「秘密かつ重要な任務を無事こなした」手柄への行章だったのかもしれないが。
ということで、いよいよ安倍政権の潔さが試される。政治を私していないのなら、一度退陣し、捲土重来を期すべきと思うが。

2018/03/16


トップへ戻る