川北英隆のブログ

酷暑の日の大文字山

研究室に来ているだろう郵便物の整理をしに、大文字山を越えて大学に出向いた。さすがに日が高くなってから山越えする気にならなかったので、日の出とともに家を出た。
蹴上に近づくと、ジーっと長い耳鳴りのようなかすかな音がした。ニイニイゼミである。早朝、まだ他のセミが鳴いていないから、ニイニイゼミの低い声がよく届く。
山に入り道の上に目をやると、白いリョウブの花が青緑の茂みを裂くように、すくっと天を指していた。「まだ咲いているのや」と、真夏の花を尊敬した。
少しずつ高さを増した太陽は、それでも山道にまで差し込まないから、朝の涼しさが残っている。家を出るとき、朝の気温を確かめたところ、京都市内は27度台にしか下がっていなかった。そんな日でも山の気温はもう少し低かったのだろう。登りにあまり汗をかかなかった。
下りに使った旧道は、一般道に出る手前で荒れていた。昨年体験したように、大雨が降れば沢になる道だから、先日西日本を襲った大雨の影響で荒れたのだろう。大きな穴が開き、まだ水の流れている箇所があった。
研究室で用事を済ませ、鴨川を歩いて帰った。大雨で水量が増したため、小さな中洲がすっかり消えていた。とはいえ、歩道の上まで水かさが増した時間は長くなかったようだ。歩道があまり荒れていなかったから。
そんな鴨川の流れの変化を確認しながら、「そうか、パトロールのようかな」と思った。「30年以上も前に飼っていた犬、タローも実家の庭をよくパトロールしていた」と思い出してしまった。「僕は犬かな」である。
もう1つのパトロール報告は、二条大橋の下の三毛猫のことである。どうもいなくなったように思う。今まで置いてあった餌入れ用の皿が少し前からなくなっている。猫か飼い主か、どちらかに事故があったのではないだろうか。残念である。

2018/07/16


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