川北英隆のブログ

有楽町の慶楽が店を閉じる

今日、帝国ホテルで講演会を開催した。長期投資に関するセミナーである。夕方5時に終わった。夕食を軽く食べて帰るかと思った。どこにするのか。「そうそう、久しぶりに慶楽で五目汁ソバでも食べよう」と思った。日比谷で勤務していた頃、よく通った。
以前に何回書いたが、慶楽は好きな広東料理の店である。大衆的な雰囲気なものの、味が垢抜けている。20年前の上海の老舗料理店の感じか。
「汁ソバ、ヨダレが出そう」と思い、通い慣れた道を店の近くまで行くと、看板の灯りが消えている。嫌な予感がした。店の前まで行くと、シャッターが下りていた。とくに貼り紙があるわけでもない。「金曜日に休むはずもなし、おかしい」と思った。
他の中華の店で適当に食べ、新幹線の中で「慶楽」と入力したところ、検索候補として「慶楽 閉店」が表示された。
慶楽は1950年から営業してきたとのこと。それが昨年12月28日で店を閉じたらしい。12月には貼り紙をしていたらしい。そこには「ビルの老朽化、昨今の飲食業界の変化など、弊店のような昔気質の料理店の運営を続けていくことが、今後さらに困難になると判断し、一旦閉店という形を取らせていただくことになりました」とあったとか。
「流行っているように見えたのにな」と思う。ビルが老朽化していたのは確かだろう。それを建て替えるとなると、採算が合わなくなったのかもしれない。値段も良心的だったのだろうか。
茅場町のうなぎ屋、松よしも1950年に店を開き、昨年末に閉じた。慶楽と同じである。僕も人間を始めたのが1950年、そろそろ人間の店仕舞い時なのか。
いずれにしても残念の一言に尽きる。

2019/01/18


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