川北英隆のブログ

10連休の尻拭いを強いる政府

ネットのニュースを見ていると、日経のサイトに「10連休に対して政府が各方面に対処を要請した」との主旨の記事があった。あくまでも「超の付く上から目線」を貫く政府である。
記事は次にある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41771350W9A220C1EA1001/
まとめてみると、「緊急時、救急時、災害時の対応をしっかりしろ」、「10連休の前後に業務や金融関係の事務や売買が集中するだろうから、しっかり対応しろ」、「家庭ゴミの収集は通常の体制でしろ」、「学校の休みで授業日数が不足するのなら長期休暇を振り替えろ」などと書かれている。
10連休対応として、もっと簡便な方法がある。それは、政府が緊急事態に備え、「国民の祝日に関する法律」第3条3項「その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。」を臨時に変え、「祝祭日にはさまれた4/30と5/2は、今年に限り休日にしない」とすればいい。
国民の祝日に関する法律の目的に、「・・・よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために」とある。今回の10連休は、日経の記事にあるような政府の要請を客観的に評価するかぎり、この法律の目的に反している。
もう少し書くと、この法律の目的には「・・・よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために」の前に、「美しい風習を育てつつ、よりよき社会・・・」とある。今年の天皇即位が「美しい風習を育てつつ」に該当するとして5/1を祝日にしつつ、ついでに10連休を図って大衆迎合を狙ったのだろう。
しかし、小学生でも理解できるように、「美しい風習を育て」は、それが達成さえできれば「よくできました」ではなく、同時に「よりよき社会、より豊かな生活」が達成できてはじめて「よくできました」となる。
政府自身、このことを理解していて(もしくはようやく理解して)、「あれしろ、これしろ」と言い出したのだろう。上位者によく見られる態度であるが、自分の非を棚に上げ、下位者にその自分の非の尻拭いをさせようとする。
まあ、そんなとこだろうと諦めているが。

2019/02/27


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