川北英隆のブログ

笑ってしまったハウツー本

普段アマゾンで本を購入しているものだから、アマゾンからダイレクトメールがよく送られてくる。そんな先日、ハウツー本のダイレクトメールにはつい笑ってしまった。本のタイトルが笑えたのである。「自分の頭で考える子」に変わる・・、とあったから。
正式のタイトルは、『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか? 「自分の頭で考える子」に変わる10のマジックワード』という。
中身を読んでいないし、そもそも買う気も完全にゼロなため、推測で笑っただけである。でも、何か変だとは思わないだろうか。勉強は暗記するだけでは無駄である。極端に言えば、法則を見つけなければならない。同じ覚えるにしても、複数のことを関連付けておかなければならない。
高校から大学、大学から社会人へと進むにつれ、法則や関連付けを自分の頭の中で行うことが重要になる。もっと言えば、単に記憶するだけなら今ではスマホで十分である。記憶していたことを活かすには、単なる記憶に自分なりのものをプラスすることが重要となる。
こう考えると、「自分の頭で考える子」に変わる10のマジックワードをハウツー本によって学ぶというのは、依然として他人(この場合はハウツー本の筆者)に頼ることでしかなく、自分の頭で考える段階からはほど遠い。正直なところ、この堂々巡りをイメージしてしまい、つい笑ってしまった。
まあ、10のマジックワードから何かを感じ取れればいいのだろうが、このハウツー本の読者の何人が、この何かを感じ取るのだろうか。10のマジックワードを一生懸命暗記しようと思ったのなら、その瞬間に自分の頭で考える状態から永遠に去ってしまう。
この本の筆者に文句があるわけでない。ハウツー本とは、ほぼすべてが同じ仕掛けになっている。つまり、本屋の「買わそう」という罠が露骨にある。ハウツー本の購入者の多くがこの罠に陥る。これが結末だろう。
僕自身も若い頃、ハウツー本を買ったことがある。明確に覚えているのは「ペン字が上手くなる」という類の本だった。嫌々ながらもゴルフをやらされたこともあり、ゴルフ上達のためのハウツー本も買ったかもしれない。でも、そんなので上達するわけでもなし、楽しくもない。要は実践あるのみだと悟った。僕にとって、ペン字もゴルフも実践からほど遠く、進歩はゼロだったが。
ということで、ハウツー本は読まないにかぎる。もっとも、ゴルフや登山であれば、道具の使い方、基礎的な体の動かし方くらいは本で教えてもらう必要があるのかもしれないが、勉強はどうだろうか。実践あるのみではないのか。
ちゃんとしたテキストを読み、書き、計算し、話し、それらの動作を自分で工夫するのが王道である。そうすればやがてハイウェイに入れるだろう。極端な近道を探しても無駄だと思う。
と、このブログを読んでもらうこと自体がハウツーに近く、お笑い草かな。

2020/02/16


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