川北英隆のブログ

GoToは老人の運転より少し上

新型コロナの感染者数が新記録更新中である。コロナオリンピックの累積感染者数部門で日本は47位である。その日本、1日3000人の新規感染者数に達した。オリンピックでの日本の前後の国を眺めると、日本に勢いがある。さらに順位を上げると「期待」したい。
というのが、コロナにおける日本のグローバルな立ち位置である。これに対して日本政府は、GoToキャンペーンというアクセルを踏み続けている。時折、北海道や大阪という障害物が飛び出すので、アクセルから少し足を離す。でも、すぐに「もっと長くアクセルを踏みたい」との意欲を漏らす。来年の東京オリンピック開催の命運がかかっているので、コロナ部門でも活躍したいとの意欲なのかもしれないが。
一方で、ブレーキも踏んでいる。自粛というブレーキである。自分ではブレーキを踏まずに、助手席に乗っている子供に、「ちょっとはブレーキを踏めや」とつぶやくようなものか。自分でブレーキを踏んでしまうと、「アクセルを思い切り踏んでエンジンを吹かせたと思ったら、急にブレーキなんて、この下手くそ」と罵倒されることを恐れているのか。
まあ、ブレーキと間違ってアクセルを思い切り踏む老人の運転に比べれば、「まし」かな。
東京地区に住む友人の学者が怒っていた。「専門家会議は何を議論しているのか」「御用学者の最たるもので、名誉欲だけか」と。その専門家会議、ようやく警戒情報というかまだ注意情報だろうか、少しだけ議論が報じられるようになった。これ以上黙ったままでいると、仲間内で「アホか」「迷惑かけるな」と罵られることを恐れ始めたのかもしれない。
この点、気象庁の判断とちぐはぐである。気象庁はすぐに警報を出す。その最上級である特別警報というのさえ設けた。災害が発生し、「このクソ気象庁、誤った予報をたれ流すな」と罵られるのを恐れてか、台風や雪に関してオーバーな予報に徹している。
気象庁は恒常的な組織であるのに対し、コロナの専門家会議は臨時である。臨時であれば、政治家の意向に反対を表明するのは簡単なのにと思う。委員会の委員としての首が飛ぶかもしれないが(経験上も、再任されないに違いない)、元々所属しているポストは残る。末代まで、政治家のポチだったとの汚名が残るのと比べれば、今のポストが残るだけで十分ではないかと思う。
書き始めたら切りがない。とりあえずのところ、友人達の怒りの代弁は以上にしておきたい。

2020/12/13


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