川北英隆のブログ

三重岳から石田川ダムへ

武奈ヶ岳からは北の稜線を下り、三重岳に向かった。すぐにブナ林の中の気持ちいい道になる。武奈ヶ岳の北側や三重岳は山が深く、伐採と植林が進まなかったのだろう。
武奈ヶ岳から下りは、最後が少し急なものの、全体的に緩やかである。標高650m弱の鞍部からの登り返しも同じで、750mの手前が少し急な程度だった。振り返ると武奈ヶ岳からの稜線が大きい。
三重岳への稜線は標高750mから先が複雑になる。とくに標高点855mの前後は踏み跡が少し不確かになる。小さな池も2つあった。雪が遅くまで残るのだろう。標高点855mの先、踏み跡は広い稜線の北の端に付いている。
この前後から、東西に伸びる小さな尾根の西に登り付き、東に尾根をたどり、再び小さな尾根の西に登り付きといった繰り返しが何回か生じる。暑さでぼうっとしかけた頭にはデジャブのようである。
ブナをはじめとする広葉樹の背が低くなる。ガマズミの実が少し赤くなっていた。ナナカマドの実はまだ青かった。またコナシのような木が何本もあった。
山頂の手前で北への縦走路を分ける。その分岐から三角点まではすぐである。山頂は開けているが、周囲との高度差に乏しいため、展望は琵琶湖方面だけだった。暑さで疲れたため、もう一度昼食を兼ねて大休止した。
三重岳からは南尾根を石田川に向けて下山した。尾根の入口は東尾根と共通である。数歩歩くと、右に踏み跡が分かれるので、それに入る。後はほぼ明瞭である。テープもある。かつてはよく使われた道のようで、踏み跡が溝状になった箇所も多い。その溝を、今は灌木が覆ったり、小さな倒木が塞いだりしている。
尾根の上部は広葉樹林で、ナツツパキが何本かある。その花を山で見るのは初めてだった。尾根の下部は植林が目立つようになる。標高650mから600m付近は植林かつ尾根が広いので踏み跡が不明瞭になる。再び尾根が明瞭になると、右(西)に大きく下り、尾根を外れる。592mの標高点の西側から再び大きく下り、最後は少しジグザグに下って石田川沿いの林道に出る。
後は林道を下り、石田川ダムのサイトに出て、角川のバス停に向かうだけである。先に書いたように、石田川ダムまでの林道は荒れていた。歩いて通る分には支障はないが、いずれ路肩の崩落箇所が完全に崩れ落ちることもありうるだろう。
もっとも、林道には小さな沢から水が流れ落ち、水溜りがいくつもできていた。オタマジャクシが人の気配に驚く。その水溜り、オタマジャクシがカエルになるまで残るのかどうか、少し心配になった。
ダムサイトには駐車場がある。ダムには水がなかった。灌漑用に放水したのだろうか。ダムの奥に三重岳らして姿があった。
ダムまでの林道は林の影になっていたのだが、ダムからバス停までは直射日光を浴びることが多かった。仕方ないので傘を差した。
武奈ヶ岳から三重岳まで1時間50分、三重岳から林道(登山口)まで1時間かかった。後は1時間に1本のバスの時間に合わせて歩いた。三重岳登山口からダムサイトまで50分、ダムサイトからバス停まで40分だった。結局のところ、角川バス停15.31分発のJRバスに乗れた。このバスは近江今津を16時過ぎに出る姫路行きの新快速と接続している。
上の写真は三重岳の登りから見た武奈ヶ岳の尾根である。下は三重岳の三角点である。
20210722武奈ヶ岳方面を.jpg

20210722三重岳山頂.jpg

2021/07/22


トップへ戻る