川北英隆のブログ

今東京オリンピック雑感

今回の東京オリンピックのメモである。1964年開催の東京オリンピックを観た者として、今回はいろんな違和感がある。世界中が、すべての選手が、必ずしも今回の大会を楽しんでいるわけでないとの感情だろうか。こちらが年齢とともにひねくれたのだろうか。
今回の東京オリンピック、「おもてなし」で始まったものの、コロナあり、延期あり、強行あり、元総理の女性蔑視発言あり、歴史への無知やいじめ問題ありと、開幕までに多くの曲折があった。それだけ情報社会になり、世界が身近になったということだろうが、では、今回の日本の主催者の意識がそれに追いついているのだろうか。
IOCの商業主義と、それに対する選手の反発も強い。そもそも灼熱地獄かサウナに近い日本の真夏の都市部で開催することに対し、配慮というか「おもてなし精神」が欠如していたのではないか。それに対するテニス選手の反発が強く、結果として実力を出しきれなかった超一流選手もいたような。思い出すと、マラソンの開催地が東京から札幌に移った事件もあった。
実際の競技を観て、「変なの、ここはどこや、銀座の外れか新宿か」と思うこともある。体操や陸上などの女子選手の変な服装というか露出度の高さである。競技によってはその変な服装を強制する規定(たとえばビーチハンドボール)もあるようで、女性を差別的に扱う、もしくは商売道具として扱う最たるものだろう(やはり見世物小屋か娼館かいな)。
そんな中で戦う選手にはいろんなことを思う。大坂なおみやアメリカ女子体操選手のように、心とも戦っているようだし、国との戦いもある。
混乱しているベラルーシの陸上選手が強制帰国命令を受けたところ、それを拒否して亡命を希望しているようだとか。同じように国が混乱しているベネズエラの三段跳びの選手が世界記録を出して金メダルを獲得した。こちらは裕福なのだろうか。バトミントン男子ダブルスの決勝で台湾が中国に勝つという「事件」もあった。
そうかと思えば(以前からどうなるんかなと思っていたのだが)、トランスジェンダーの元男性の選手が女子87キロ超級重量挙げに出場するとか。ドーピングが日常的な国では、「今後はトランスジェンダーという合法的な手段を使ってくるのかも」と危惧してしまう。当然、本末転倒の手段なのだが。
いずれにしても今回のオリンピックの選手達、灼熱地獄の日本にやって来て、コロナの恐怖に耐えながら、観光もできず、国際的な紛争も肌で感じ、すごく大変だなと思ってしまう。大会に出場したからには、せめて競技だけは楽しんでもらいたいものだし、「すごい」場面を1つでも多く作ってもらいたい。

2021/08/02


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