川北英隆のブログ

灰屋から雲取山へ

朝一番のJRバスで周山に入る。このバスは毎回、栂尾でかなりの人数が降りる。思うに通勤客かもしれない。当日、周山に入ると霧だった。晴天が約束されたようなものだ。
周山では灰屋行きのバスが待っている。乗ったのは今回も僕だけ。途中で誰も乗ってこない。申し訳ないなと思いながら、終点の灰屋で降りた。
灰屋は廃村に近いように思えた。灰屋川に入るまで、バスは桂川沿いを通るのだが、こちら側の村はまだ健在の感じがした。京北ふるさとバスはいずれ、灰屋川に入る手前、黒田が終点になるかもしれない。
バスを降り、灰屋川を遡る。貴船から続く県道である。出会った車はバイク2台だけだった。
道すがら、最初に「京みち トロ峠」の表示を見る。灰屋方面から黒田に向かう最短道で、かつての街道だったらしい。次に灰屋の滝がある。砂防ダムから水が勢いよく落ちている。滝の上流側に砂防ダムを造ったのか。芹生の近くでは「佛返りの地蔵尊」を見学した。道路の脇に古い表示があり、その横に階段がある。それを登ると小さな社にお地蔵さんが祀られている。芹生の村人が世話をしている様子だった。この付近、右手の山並みの紅葉が美しい。
芹生には小洒落た宿泊施設がある。貴船のさらに奥座敷といったところだろう。とはいえ、コロナの影響で寂れた様子だった。
貴船への峠道を南に分けると芹生の中心部(と言うほどのものかな?)である。その先で道は林道になる。対岸に神社がある。林道には倒木もかぶさるようになり、少し心配になる。
その予感が的中したのは三ノ谷を北に分けた直後だった。直前まで、林道は西に向かって流れる本流に沿って付けられていたのだが、その林道が切れた。地図を確かめると、遡ろうと思っていた二ノ谷への道(林道のはず)は右岸(谷の北側)にあるはずなのだが、切れた林道を高巻くようにロープが張ってあり、そのロープは谷に下るようにと導いているようだった。谷には林道らしきものがない。
よく見ると対岸(本流の南側)に草むした林道がある。谷に下りるよりはその林道のほうがましと考え、本流を対岸(左岸)に渡り、林道を100mほど遡った。二ノ谷が見えるので、再び本流を渡って右岸に戻った。この2箇所には渡りやすい箇所がある。
二ノ谷にはルートがある。とはいえ、何回も沢を渡る。途中で下山してくる登山者を一人見た。沢が細くなり、水が少なくなると山小屋に出る。立命館のワンゲルの小屋だとか。小屋の手前を左(北西)に折れ、涸れた沢を登る。草と砂利の多い急登である。
最後に左手の稜線に向けて一登りすると山頂に着く。三角点(911.0m、点名は川上)があり、落葉し始めた木の間から、少しだけ展望が得られた。
灰屋のバス停を出たのが9時少し前、雲取山に着いたのが11時少し過ぎだった。
上の写真は二ノ谷に渡って振り返った渡渉地点である。下は雲取山の山頂である。
20211103二ノ谷から見た渡渉地点.jpg

20211103雲取山.jpg

2021/11/03


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