川北英隆のブログ

株式は長期投資で決まり-4

前回は長期投資における企業選別の重要性を指摘した。当然この企業選別の重要性は株価指数においても起きる。そこで、日本を代表する株価指数である東証株価指数(TOPIX)と日経平均株価を比較しておきたい、
TOPIXは東証の市場第1部上場企業の全企業を対象としてきた(今後は少しずつ対象企業の基準が変更されていくが、当面のところ大きな変化はない)。5月末現在、前回書いたように2170社が対象となっている。
一方の日経平均株価の対象企業は、日経新聞社が選ぶ225社である。日経の基準により、日本を代表する(と日経が考える)225社が選ばれる。基準はともあれ、選別された企業である。
この2つの株価指数はどのように動いてきたのか。2007/12月末を100として、その動きを比較したのが下図である。日経平均株価(赤い線)がTOPIX(青い線)を上回ってきたのは明らかである。
もちろんTOPIXが日経平均株価を上回ることも生じる。とくに2021年の初めから現時点までがそうである。とはいえ、長期的には企業を選別した指数のリターンが高い。経営の質の高い企業を選んでいるからである。
なお、留意点を延べておく。日経平均株価は、株価指数としての計算方式が望ましくないとの批判が強いことである。この点は企業を選別していることとは関係がないものの、考慮に値する批判である。さらに、日経平均は2000/4に対象企業の大幅な入れ替えを行った。このため大混乱が生じ、TOPIXの値動きに大きく劣後した。後者の点を考慮して、図は2008/9のリーマンショック前からとしている。
ということで、企業を選別して長期投資すれば本当にリターンが高いのかどうかについては、別の角度から考えなければならない。
20220628株価指数比較.JPG

2022/06/28


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